チェンライの山間にあるアカ族の村では、伝統的な民族衣装に身を包む人々の姿や、独特な高床式の家屋など、アカ族の人々の暮らしを垣間見ることができます。観光客の多く出入りする村でありながらも、村の鳥居や魔除けの人形など、アカ族ならではの風習も多く残っています。また、村のあるメーサロンは高品質なお茶の名産地。メーサロン中心地では、おいしいウーロン茶を飲むこともできます。
タイの山岳民族「アカ族」。数ある山岳民族の中でも、タイの人々に一番知られているのはアカ族かもしれません。かつては川沿いに暮らす民族だったアカ族が、山間の急斜面に集落を作るようになったのは、川沿いに暮らすことで伝染病にかかったことがきっかけだと言われています。病を避けるために環境を変えた遠い先祖。「アカ」という言葉は、「川から遠く離れる」という意味を持つと言います。
そんなアカ族の民族衣装は、とってもオシャレ。藍染の生地で作られた服には赤系統の色の幾何学模様のような繊細な刺繍やパッチワークが施されていて、ミニスカートがとてもかわいいのです。刺繍模様はもちろん服のデザインも各家庭によって少しずつ異なるようなので、村に訪れた際には民族衣装に注目してみるのも面白いかもしれません。また、民族衣装で特に印象的なのが、アカ族の女性たちが身に着ける「ウチュ」と呼ばれる被り物。銀の玉を織り込んで作られたかぶとのようなウチュからは、卵ほどの大きさの丸い銀色のアクセサリーが数珠状にぶら下がっています。ウチュの形は、幼少期、少女時代、成人後と変わっていきます。アカ族は、アニミズム信仰(すべてのものに精霊が宿るという考え方)であることで知られています。特別な儀礼の時には犬を食べる、などの独自の風習を数多く持ち、その中には、双子が生まれることをタブーとして、双子で生まれた赤ちゃんを殺してしまうというショッキングなものもあったのですが、この風習だけは現在は廃止されているとのことです。また、アカ族で有名なのが「ブランコ祭り」。8月末から9月にかけて4日間行われるこのお祭りは、集落の中で一番高いところに長さ10メートルほどの生木でブランコを組み、巨大なブランコに乗るというダイナミックな農耕儀礼。毎年雨季真っ只中に行われるため、有名ではありますが、見学する観光客は少ないようです。
メーサロン・ノークにあるアカ族の村には約300人が住んでいます。1972年に紛争を避けてミャンマーから移住してきた人々が多く住んでいて、移住当初は麻薬栽培をしていましたが、その後タイ政府の政策により、トウモロコシを栽培したり、メーサロンの特産でもある茶畑で働くことで生計を立てています。アカ族の村の南北には、木で作られた鳥居のような門があり、裸の男女の人形1体ずつが祀られています。門は村の結界、男女の人形は魔除けの意味を持ち、アカ族にとって神聖なもので触れてはいけません。ご注意ください。
アカ族の家は、大きな茅葺き屋根が特徴的な高床式住居です。各地にあるアカ族の集落では、現在ではトタン屋根やコンクリート造りの家なども目立つようになってきましたが、メーサロンのアカ族の村では、この伝統的な家屋を見学することができます。豊かな自然の中にある、のんびりとした雰囲気が魅力的なアカ族の村では、家の軒先で刺繍に励む女性の姿や、ニワトリや豚などが自由に歩き回るのどかな風景が見られます。村の中にはお土産の屋台もあり、美しい刺繍が施された民族小物などを買うこともできます。メーサロンのアカ族の村は観光客がよく訪れることもあり、子供たちもとても社交的。近くの学校へ通っているために、アカ語だけでなくタイ語も達者です。村の家々を見学している際には、アカ族の人々からコップ一杯のお水をいただくことがあるかもしれません。山では水汲みは重労働であるため、貴重な水を出すことは最高のおもてなしなのです。また、村の少し外れたところには、ベンチが置かれたちょっとした広場のような場所があるのですが、実はここは「女性を口説くための場所」。現在はほとんど使われていないそうですが、かつては満月の夜だけ、男性はここで女性を口説くことができたそうです。なんだかロマンチックですね。観光客が出入りするメーサロンのアカ族の村ですが、友人や知人がいなければ宿泊はできません。
アカ族の村は山の奥にはなりますが、舗装された1234号線沿い、メーサロンの中心地から約18kmの場所に位置します。メーサロンは四方を山々に囲まれた町。かつてはケシの栽培が行われていた地域でしたが、現在はお茶やトウモロコシの栽培が行われていて、涼しく爽やかな気候や山間の綺麗な空気を求めて多くの観光客が訪れる町になりました。特に山桜が満開を迎える1月頃は賑やかな雰囲気に。そんなメーサロンの特産は、何と言ってもお茶。タイで販売されているウーロン茶のほとんどは、ここメーサロンで生産されています。また生産量だけでなく、高品質であることも特徴。アジアのお茶大国台湾などにも輸出されています。アカ族の村に訪れた際には、周辺にある山岳民族の村巡りだけでなく、メーサロンのおいしいお茶をいただくのも忘れずに。アカ族の村へは、チェンライ市内からメーサイ行きのバスに乗車。バンパサーンで下車してからは、メーサロン行きの青いソンテウに乗り、アカ族村で下ろしてもらいましょう。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
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ヤオ族・アカ族の村、ゴールデントライアングル1日ツアー(チェンライ発) | 1日 |
11月から2月の乾季は雨が少なく気温、湿度ともに高くなりすぎず観光に適したシーズンです。ただし、乾季は、寒暖の差が激しく朝晩は肌寒くなるので、長袖の羽織ものが必要になります。特に山間部では冷え込むので厚手の上着が必要です。3月下旬から雨季に入る5月頃までは気温が上がり、日差しも強くなります。雨季に入ると、1日に1~2回スコールが降り、雨の後は気温も下がり過ごしやすくなります。8月から9月にかけて最も雨が多く、道路に水が溢れることもあるので注意が必要です。
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