バレマウンテン国立公園は、アディスアベバ南東約400kmのエチオピア高原南東部のバレ山脈とサネッティ高原の約2,200平方kmの面積を有しています。公園内は、変化に富んだ地形で、エチオピア最大の高山熱帯林や草原地帯、アフリカ最大のアフロアルパインの高原地帯など様々な植生が見られる美しい景観が広がっています。また、エチオピアの固有種で絶滅危惧種のエチオピアオオカミやマウンテンニアラをはじめ、希少な野生動物の生息地にもなっています。
入園料:(外国人)12歳以上 90ETB、12歳未満 10ETB/1日 車両代:(外国人)12人乗りまで20ETB、それ以上は40ETB/1日
参考サイト:balemountains.org
バレマウンテン国立公園は、変化に富んだ地形を有しており、北部草原地帯、北部森林地帯、アフロアルパイン草原(サネッティ高原)、エリカ地帯、ハレナの森の5つの植生エリアに大別され、それぞれに異なる自然景観が広がっています。そして、アフリカ最後のオオカミと言われるエチオピアオオカミやマウンテンニアラ、メネリクズ・ブッシュバック、バレ山地の固有種であるエチオピアオオタケネズミ、エチオピアコウチノウサギ、バレモンキーなどの78種類の哺乳類が生息しており、エチオピアで最も大型哺乳類が多く生息する地域でもあります。さらに、公園内には、深い渓谷や急流、滝、湖沼、湿地などが点在し、エチオピア固有種のアオバコバシガンをはじめ、アフリカヒナフクロウ、ホオジロエボシドリ、ヒゲワシ、ヨゲンノスリなど約260種の鳥類が生息しており、乾燥したエチオピアにおいて野鳥の楽園となっています。このように豊かな動植物の生態系が育まれているバレマウンテン国立公園は、2009年にはユネスコの世界遺産の暫定リストにも登録されました。
バレマウンテン国立公園には、標高3,000mから4,000m以上のエリアで距離の異なる様々なトレイルが用意されていて、登山や自然愛好家はもちろん、バードウォッチング愛好家や野生動物ウォッチング愛好家には絶好のレジャースポットとなっています。
バレマウンテン国立公園を訪れる際は、安全上の理由からガイドを同伴することが推奨されており、アディスアベバなどのツアー会社では、日帰りのハイキングから数日間の本格的なトレッキングまで希望に応じて様々なルートでツアー日程を組むことができます。北部のディンショーや東部のドドラ、西部のゴバが主な観光の拠点となり、ハイキングやトレッキングの他、乗馬や4WD車でも巡ることができます。トレイル上には、キャンプサイトも用意されており、ガイドの他、ポーターや料理人なども一緒に手配できます。
公園本部は、北部の標高約3,100mに位置する町ディンショーにあります。周辺には、中央の平らな渓谷があるガイセイ草原や森林地帯が広がっていて、エチオピア固有のマウンテンニアラやメネリクズ・ブッシュバックにも出会えるでしょう。
公園の中央部の森林限界を超えた標高4,000mを越すサネッティ高原は、アフリカ大陸最大のアフロアルパインが自生する高原地帯で、岩や地面が地衣類に覆われた荒凉とした大地には、巨大なジャイアント・ロベリアがあちこちに点在しています。そして、このエリアにはエチオピアの固有種で絶滅危惧種のエチオピアオオカミが生息しており、バレマウンテン国立公園の見どころの一つにもなっています。エチオピアオオカミは、2~18頭の群れで暮らしており、主にエチオピアオオタケネズミなど齧歯類を捕食しながらこの厳しい自然環境で生き抜いてきました。特に早朝と夕方に動きが活発で、餌を探しながら歩き回る様子を見ることができます。また、サネッティ高原にはエチオピアで2番目に高いトゥル・ディムトゥ峰(4,377m)が堂々とそびえています。
バレマウンテンの南部の急な崖の山麓にある小さな村リラ(Rira)周辺には、エチオピア最大、アフリカ大陸でも2番目に大きな雲霧林(高山性の熱帯林)であるハレナの森が広がっています。ハレナの森は、バレマウンテン国立公園の約半分の広さを占めており、崖の途中の標高3,400m~3,800m付近のエリカ地帯と呼ばれる植生エリアは、樹皮に付着して糸状に垂れ下がるサルオガセをはじめ、苔や地衣類が樹木を覆い、アフリカで最も美しい森の一つとも言われています。特に雨上がりの靄がかかった森の景観は幻想的で、エチオピアの自然の美しさを体感できます。
リラから1時間ほど歩いたところには、竹林に覆われた狭い渓谷にひっそりと佇む2つの滝があり、リラの南約1.5kmにある公園管理事務所から往復2時間程度のハイキングで楽しむことができます。このトレイルでは、途中で風光明媚な滝を眺めたり、滝つぼで足をつけてリフレッシュすることができるほか、アビシニアコロブスやバレモンキー、メネリクズ・ブッシュバック、ボホールリードバック、イボイノシシなどの野生動物にも出会えるチャンスです。また、このエリアには、ハイイロオオサンショウクイやネコチメドリ、オグロツグミヒタキ、アビシニアジツグミ、ホオジロエボシドリなど多くの野鳥が生息しており、バードウォッチングも存分に楽しめます。ホオジロエボシドリは、その名の通り頬が白い毛に覆われた野鳥で、隣国エリトリアの国鳥にもなっており、エチオピアを訪れるバードウォッチング愛好家に人気のある野鳥の一つでもあります。
バレマウンテン国立公園は、標高差があり場所によって気温も大きく異なります。高原地帯は年間を通して冷涼な気候です。トレッキングのベストシーズンは、晴れの日が多い乾季の10月~4月頃です。夜間は冷え込むので防寒対策が必要です。また、日中は日差しが強いので日焼け止めや帽子、サングラスなどもお忘れなく。5月~9月頃までは雨季で、大雨が降ると道路状況が悪くなり、行動範囲が限られる場合がありますが、花々が見頃を迎えます。
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【ロベ空港からのアクセス】
<ディンショー>
車で約45分
<ゴバ>
車で約30分
※アディスアベバから陸路で向かう場合は車で6~7時間、もしくは長距離バスステーション(メルカート・バスステーション)からロべまたはゴバ行きのバスで約8時間(ディンショーで途中下車可)