ヘルズ・ゲート国立公園は、ナイロビから北西に約100km、グレート・リフト・バレーに位置し、すぐ近くにはバードウォッチングの名所として知られるナイバシャ湖があります。このエリアは火山帯があり地熱活動が活発であることからヘルズ・ゲート(地獄の門)と名付けられました。バッファローやシマウマ、キリンなどの野生動物や100種類以上の野鳥が生息し、ケニアでは非常に珍しくウォーキングサファリを楽しめる国立公園でもあります。断崖絶壁や急峻な渓谷、岩頸など雄大なグレート・リフト・バレーの景観も大きな魅力となっています。
料金:(大人)26USD(子供)17USD
公式サイト:kws.go.ke
ヘルズ・ゲート国立公園は、グレート・リフト・バレーの底に位置し、敷地内には火山活動によってできた多彩な景観が広がっています。「ヘルズ・ゲート」という恐ろしげな名前には似つかわしくなく、雄大な自然景観を眺めながら気軽にピクニックを楽しめるレジャースポットとなっています。ここは、ケニアの一般的な国立公園とは異なり危険な大型の肉食動物がいないので、ゲームドライブではなく車から降りてハイキングやサイクリングを自由に楽しめるのが大きな特徴です。岩場では、ロッククライミングを楽しむ人々の姿も見られます。
公園のメインの入口となるエルザ・ゲート(Elsa Gate)から入って1kmほど進むと、フィッシャーズ・タワー(Fischers Tower)と呼ばれる高さ25mの岩頸(火山の侵食により火道内のマグマが硬化してできた岩が地表に現れた地形のこと)があります。フィッシャーズ・タワーという名前は、19世紀にモンバサからビクトリア湖のルートを探す途中でこの地にたどり着いたドイツ人探検家グスタフ・フィッシャーに因んで名付けられました。マサイ族の言い伝えでは、この岩はマサイ族の少女が結婚式の前にマサイの伝統に反したため石になったと言われています。現在は、ロッククライミング・スポットとしても親しまれています。
ヘルズ・ゲート国立公園の敷地面積は約68平方kmで、ケニアの国立公園としてはかなり狭いですが、変化に富んだ地形とハイキングやサイクリングをしながら野生生物に出会うことができるのが大きな魅力となっています。公園内には、バッファローやシマウマ、キリン、エランド、ハーテビースト、ガゼル、イボイノシシ、バブーンなどの野生動物が多く生息し、岩場ではクリップスプリンガーやハイラックスなどの可愛らしい小動物も見られます。肉食動物を見つけるのは簡単ではありませんが、ごく稀にヒョウやハイエナの姿が目撃されています。また、公園内には100種上の野鳥が生息しており、崖にはハゲタカやワシ、ヨゲンノスリ、アマツバメなどが営巣しています。さらに、希少種のヒゲワシも生息しており、ヒゲワシを目当てに訪れるバードウォッチング愛好家や写真家も少なくありません。
早朝や夕方は、野生動物や野鳥の動きが活発となるので、より多くの野生生物に高確率で出会えるチャンスです。ただし、好奇心旺盛でいたずら好きのサルやバブーンは、観光客の食べ物を目当てに襲いかかってくることもあるので、手荷物にはくれぐれもご注意を。
公園内には3ヶ所のキャンプサイトがあります。アウトドア好きならキャンプ泊をして、早朝にウォーキングサファリを楽しむのもオススメです。設備の整ったロッジや宿泊施設は、ナイバシャ湖周辺に充実しているので、ナイバシャ湖を拠点にヘルズ・ゲート国立公園や近くのロンゴノット山まで足を伸ばすのもよいでしょう。
ヘルズ・ゲート国立公園の大きな見どころの一つとなっているのが、オル・ンジョロワ渓谷(Ol Njorowa Gorge)。太古の昔ナイバシャ湖の水位がこの渓谷より高かった頃には、この渓谷がナイバシャ湖の流出河川となって湖水が南に流れていました。ここは、2003年に公開された映画「トゥームレイダー2」をはじめ、数々の映画のロケ地として使用されてきました。渓谷の幅は狭く蛇行しており、岩壁は長い年月をかけて水の浸食により形成された波状の美しい層がむき出しとなっています。岩壁の上部には植物が生い茂り、垂直の崖に視界が遮られるため、場所によっては数メートル先までしか見通すことができず、距離感や方向感覚が失われ、どこか違う惑星に迷い込んだような錯覚すら覚えることも。温水や冷水が流れる滝や小川、温泉が点在し、裸足で水の中を歩いたり、狭い渓谷の岩壁をよじ登ったりとプチ探検家気分を味わうことができます。
オル・ンジョロワ渓谷の近くには駐車場とピクニックサイトがあり、地元の人々の日帰りのピクニックスポットととしても人気があります。駐車場には、レンジャー・ステーションがあり、ここで渓谷内のガイドを依頼することができます。なお、オル・ンジョロワ渓谷は、大雨の後は水かさが増し、鉄砲水の危険があるため閉鎖されることもあります。渓谷のハイキングを予定している場合は、事前に状況を確認しておくことをオススメします。
オルカリア火山帯を含むヘルズ・ゲート国立公園は、ケニアを代表する地熱地帯となっています。オル・ンジョロワ渓谷の西側一帯には、アフリカで最初に建設されたオルカリア地熱発電所があり、この発電所も国立公園の一部となっています。地表からもくもくと地熱蒸気が立ち上る様子があちこちで見られ、温泉や間欠泉もあります。オルカリア地熱発電所は学生の教育的なプログラムの一環として社会見学なども行われています。
また、オルカリア地熱発電所内には、地熱を利用したスパ施設もあります。屋外には、最大で400人収容可能なプールがあり温泉の入浴体験をすることができます。施設内にはサウナもあり、治療とリラクゼーションの両方を目的で使用されてます。ヘルズ・ゲート国立公園でハイキングやサイクリングを楽しんだ後に、スパに立ち寄って温泉に入ってリラックスするものオススメです。
ヘルズ·ゲート国立公園は、1年を通して観光することができますが、動物の動きが活発となる乾季の7月~10月と1月~2月がベストシーズンです。4月~6月は大雨季、11月~12月は小雨季です。標高が高く、昼夜の寒暖差があるので防寒対策が必要です。
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【ジョモ·ケニヤッタ国際空港からヘルズ·ゲート国立公園】
車で2~3時間