タンザニア北東部、ケニアとの国境近くにそびえる標高5,895mのアフリカ大陸の最高峰キリマンジャロ。サバンナの平原に立つ独立峰で、赤道近くに位置しながらも山頂には氷河と万年雪を抱いており、雪解け水により多様な植物が自生する草原地帯、さらに低標高地帯には熱帯雨林が広がり、ユニークな景観と独特な生態系を育んでいます。キリマンジャロとその周辺エリアは1973年に国立公園に指定され、1987年にはユネスコの世界遺産に登録されました。
料金:(16歳以上)82.60USD/1日(5-15歳)23.60USD/1日 ※5歳未満は無料
参考サイト:tanzaniaparks.go.tz
サバンナの平原を見下ろすようにそびえるキリマンジャロは、西からシーラ峰(3,962m)、キボ峰(5,895m)、マウェンジ峰(5,149m)の3つの成層火山からなり、山脈に属さない独立峰としては世界最高峰です。キリマンジャロの名前の由来は諸説ありますが、一般的にはスワヒリ語の「キリマ=山」とチャガ語(キリマンジャロ周辺に古くから住むチャガ人の言葉)の「ンジャロ=白さ」で「白く輝く山」を意味しているとされています。最高峰となるのは山体の中央にあるキボ峰で、ここは赤道近くに位置しているにも関わらず氷河と万年雪に覆われています。キボ峰の最高地点はウフルピーク(Uhuru peak)と呼ばれています。ウフルとは、スワヒリ語で「自由」を意味し、1961年のタンザニア独立の際に命名されました。
キリマンジャロは、5つの異なる主要な気候帯があり、標高が上がるにつれ、その景色は大きく変化します。標高1,800m~2,800m付近まではサルや野鳥が生息する山岳熱帯雨林が広がっています。熱帯雨林を抜けると徐々に勾配がきつくなり、3,000mを超えると高山植物や低木が茂るヒース帯となり、そしてその後岩がちな山岳荒野へと続くきます。山岳荒野には、キリマンジャロの厳しい自然環境に耐えるために適応したジャイアントロベリアやジャイアントセネシオなどアフリカ固有の巨大化した高山植物が見られ、キリマンジャロ登山のハイライトの一つとなっています。4,000mを超えると寒さに強いわずかな植物が残るのみの岩場や土に覆われた高山砂漠の不毛な平野が続き、山頂付近になると氷河や万年雪が残っています。このように異なる気候帯を持つキリマンジャロ国立公園には、絶滅危惧種を含め多様な動植物が生息し、その印象的な自然景観はもちろん、高度別の動植物相の研究においても重要なスポットとなっています。
キリマンジャロは七大陸の最高峰の中では、十分な準備と体力があれば高度な登山技術がなくても挑戦することができるため、登山愛好家の憧れの高峰でもあり、毎年世界中から多くの登山家が訪れています。最高峰のウフルピークを目指す登山ルートは6ルートあり、その中で最も有名なのがマラング・ルート(Marangu Route)。マラング・ルートは、南東部にある標高1,700mのマラング登山口が起点となり、途中の山小屋など登山ルートが整備されたキリマンジャロ最古のルートで、観光ルートやコカコーラ・ルートという名でも知られています。体力や高所順応を考慮して4泊5日から5泊6日の日程を組むのが一般的です。有名なルートでありながら登頂の成功率が最も低いルートでもあるため、日程に余裕があれば、高所順応のために標高3,720mのホロンボ・ハットで2泊する6日間のプランがオススメです。登山の途中では、湿度の高い熱帯雨林のジャングルの植生や山岳荒野の巨大化した高山植物を観察し、ホロンボ・ハットではマウェンジ峰の美しい景色を望むことができます。4,000mを越す高山砂漠では、雲が大地を横切って行く壮大な景色が見られ、さらに山頂では地平線から昇る日の出と朝日に照らされて雲海や氷河がピンクやオレンジに染まる絶景を眺めることができ、一生忘れられない思い出となるでしょう。
キリマンジャロの登山となると体力や日数が必要となりますが、麓の町モシやアルーシャから日帰りでハイキングでもキリマンジャロの自然を十分に楽しむことができます。
マラング登山口周辺の熱帯雨林のトレイルでは、キリマンジャロ・インパチェンス(ホウセンカ)などここでしか見られない固有の珍しい植物を観察したり、滝を訪れたり、バードウォッチングを楽しめます。森には、バブーンやブルーモンキーが生息しており、白と黒の毛に覆われたユニークなアビシニアコロブスに出会えることもあります。マラング登山口からから標高2,720mのマンダラ・ハット(Mandara Huts)までの日帰りハイキングでは、熱帯雨林の森を抜けて、3~4時間かけてマンダラ・ハットを目指し、ランチ休憩を取った後2~3時間かけて下山します。マンダラ・ハット近くのマウンディ・クレーター(Maundi crater)からは、晴れていればキリマンジャロから流れ込む水を湛えたジペ湖やチャラ湖などケニアとの国境付近の眺望を見晴らせます。
マラング周辺の森林のハイキングだとキリマンジャロの雄姿を眺めるのは難しいですが、キリマンジャロの西側のシーラ台地(Shira Plateau)はキボ峰が眺められる絶景ハイキングスポットです。シーラ台地へは、キリマンジャロの西側の標高2,100m地点にあるロンドロッシ登山口(Londorossi Gate)からスタートし、サルや野鳥などを観察しながら熱帯雨林を抜けて標高3,400m付近に広がるシーラ台地までへ向かいます。キリマンジャロの西側は、隣接するケニアのアンボセリ国立公園から大型哺乳動物が移動してくることでも知られています。運がよければ、森の中やシーラ台地でゾウやバッファロー、エランドなどが見られることもあるでしょう。
シーラ台地からは、氷河や雪に覆われたキボ峰を眺めることができ、天気がよければここでランチ休憩をとるのもオススメ。また、シーラ台地までは車でアクセスすることもできるので、時間を短縮したい場合には、往復(もしくは片道)車でアクセスし、キリマンジャロの絶景を眺めながらシーラ台地周辺を軽くハイキングしたり、ピクニックを楽しむこともできます。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
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アフリカ最高峰に挑戦!キリマンジャロ山トレッキング☆マラングルート5日間<アルーシャ発モシ着/英語ガイド&ポーター&コック同行> | 5日 |
キリマンジャロ国立公園は、一年を通して観光することができますが、ハイキングや登山は、乾季の12月~3月上旬と6月下旬~9月がオススメです。1月~3月上旬は温暖で、7月~9月は一年で最も気温が低い時期となります。3月下旬~6月上旬は大雨季、11月~12月は小雨季です。雨季は地面が滑りやすく、行動範囲が限られる場合があります。
天気予取得中... |
【キリマンジャロ国際空港からマラング登山口】
車で1.5~2時間