キナバル自然公園は、ボルネオ島の北部サバ州にあるマレーシア最高峰のキナバル山を中心としたマレーシアの国立公園です。2000年には、マレーシア初のユネスコ世界遺産として登録されました。多様な動植物の宝庫でボルネオ島の固有種や希少種が数多く生息しています。コタキナバルから日帰りで訪れることができ、世界最大の花ラフレシアや食虫植物のウツボカズラなどの珍しい植物を見られるほか、ジャングルの森に架けられたスリル満点の吊り橋キャノピーウォークやポーリン温泉も人気があります。
コタキナバルから、車で約2時間のところにユネスコの自然遺産に登録されたキナバル自然公園はあります。標高4,095mのキナバル山の頂上付近は花崗岩の岩肌がむき出しになった迫力ある独特な景観が広がります。一方、麓にはアマゾンよりも古いと言われている熱帯植物が生い茂るジャングルが広がっています。これらの熱帯雨林と高山帯が作り出す世界的にも珍しい変化に富んだ多様な地質を持つキナバル自然公園は、固有種や希少種を含む5000種以上の植物や動物が確認されています。
コタキナバルからの日帰りで訪れる場合は、山麓の公園事務所周辺の散策を楽しめます。ハイキングコースや植物園があり、様々な植物層を観察することが出来ます。大きいものでは直径1m以上にもなるという世界最大の花ラフレシアも公園内に自生しています。ラフレシアは、東南アジアの一部の島国とマレー半島のみに自生する植物で、ハエを誘き寄せて受粉させるために強烈な臭いを放つことで知られています。開花するまでには2~3年近くもの長い年月がかかりますが、花が咲いてからはわずか3日ほどで枯れてしまいます。ラフレシアは開花予想や人工栽培も難しいため、幻の植物とも言われていて、開花したラフレシアが見られるのはまさに運次第なのです。食虫植物で知られるウツボカズラも9種類が確認されていて、世界一の大きさのウツボカズラも公園内に自生しています。ウツボカズラは、ラフレシアとは対象的に甘い香りで袋状の葉に虫を誘き寄せ、袋に落ちた虫の養分で育つユニークな植物です。その他にもキナバル固有のランなど珍しい植物を観察することができます。
公園事務所から40kmほど東に位置する高原リゾートのポーリンは、ジャングルの森に架けられたスリル満点の吊り橋キャノピーウォークと温泉が有名です。キャノピーウォークとは、もとは森林の動植物研究の観察のために設置された吊り橋ですが、現在は観光客も体験できるアトラクションとして人気があります。深いジャングルの谷間に架けられた吊り橋は、高さ約41m、全長約157m、幅は人一人が通れる程度の細さです。吊り橋と吊り橋の間には立ち止まることのできる休憩ポイントが数か所設置されています。一つの橋に同時に乗ることができる人数は決められていて、1人が渡りきってから次の人がスタートします。吊り橋は両側にネットが張られていて落ちる心配はありませんが、歩くたびにユラユラと揺れ、かなりスリリング。途中の休憩ポイントでは、周辺の景色を眺めたり、バードウォッチングを楽しめます。リスやトカゲ、蝶などを見かけることもあり、マイナスイオンたっぷりのジャングルで、絶景とスリルを同時に味わえます。ポーリン温泉は、ジャングルの中に湧き出す天然温泉です。古くから地元の人々の間では熱湯が湧き出す恐ろしい場所として嫌厭されていましたが、戦時中にその噂を聞きつけた日本軍がこの場所を掘削し、温泉として利用し始めたのがポーリン温泉の始まりです。戦後、日本軍の撤退後は利用されることなく荒廃していましたが、キナバル自然公園の観光開発が進められる中で、温泉施設として整備されました。敷地内には、露天風呂や足湯、プール、個室風呂など大小様々なタイプの浴槽が用意されており、水着を着用して温泉を楽しめます。ハイキングやキャノピーウォークで汗をかいた後に、リフレッシュできる癒しのスポットとなっています。
標高4,095mのキナバル山は富士山よりも高い標高ですが、登山道が整備されていて、途中に休憩所も多くあること、登山にはガイドの同行が義務付けられていることなどから、初心者でも比較的容易に登山に挑戦することが出来ます。キナバル山は、山麓の珍しい熱帯植物の生い茂るジャングルから花崗岩がむき出しになった荒々しい山頂まで一つの山で多様な自然の生態系が楽しめるのが魅力の一つ。また赤道直下に位置しているため、一年中登山が楽しめるので、世界中から多くの登山客が訪れています。登山前日に公園本部周辺のホステルで1泊し、2日目の早朝に出発した後、約3,200m地点にある山小屋で1泊、3日目に登頂し下山するコースが一般的です。高山病を避けるために、山小屋で2泊して体を慣らしてから登頂する3泊4日のコースも可能です。登頂当日は真夜中に出発し、ゆっくりと高度順応しながら登ります。早朝、頂上に到着すると、遠くの空が白みはじめ、雲海の隙間や遠くから朝日が上る様子を眺めることできます。太陽の力強いパワーと次第に明るくなる雄大な景色を目の当たりにすると、これまでの疲れも一気に吹き飛び、美しい自然の姿に見入っていまします。その光景は忘れられない最高の思い出として心に焼き付くことでしょう。
キナバル山には、通常の登山とは別にヴィアフェラータが設営されています。ヴィアフェラータとは、イタリア語で「鉄の道」という意味で、岩場や崖にワイヤーロープやはしご、橋などを整備した登山ルートのことを言います。この設備があることで経験の少ない登山者でも岩壁のルートを登ることができます。ヴィアフェラータは、世界各地で楽しむことが出来ますが、キナバル山は世界で最も高い地点にあるヴィアフェラータとしてギネスブックに登録されています。キナバル山にはショートコースとロングコースがあり、初心者から上級者まで楽しめます。また事前にオリエンテーションがあり、必要な安全装備も用意されているので初心者でも安心して挑戦できます。ヴィアフェラータでは、通常の登山とは一味違う絶景と達成感を味わうことができるでしょう。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
---|---|---|
世界遺産キナバル公園とキャノピーウォーク・ポーリン温泉観光ツアー | 1日 | |
世界遺産キナバル公園・先住民族の村とポーリン温泉観光ツアー | 1日 |
コタキナバル周辺は、年間平均最高気温32度前後、平均最低気温22度前後で年較差の少ない常夏の気候です。雨季と乾季がありますが、1年を通して雨がよく降ります。一日中が降り続くことはほとんどありませんが、雨具を持参すると安心です。1~4月頃が比較的天候に恵まれる日が多く観光のベストシーズンです。日中は日差しが強いので帽子やサングラス、日焼け止めは用意しておいた方がよいでしょう。また登山をする場合は、防寒着など登山装備を準備が必要です。
天気予取得中... |
【コタキナバル国際空港から市内】
<エアポートバスを利用>
センターポイント、ホライゾンホテルを経由し終点ムルデカ広場まで運行
所要時間:約40分
料金:5MYR
<タクシーを利用>
空港タクシーは定額制
(市内中心部まで)
所要時間:約20~30分
目安料金:30MYR
※深夜は50%増し
【コタキナバルからキナバル自然公園】
<車を利用>
所要時間:約2時間
※ツアー利用かタクシーチャーターが一般的