ランタ島とクラビの間にあるジャム島は、観光開発のされていない、昔ながらの素朴な姿が守られている島です。豊かな自然に囲まれ、のんびりした雰囲気と明るく優しい地元の人々の笑顔に包まれていると、まるで田舎に帰ってきたような気分になる穏やかな島。一つの島でありながら、北部はプー島、南部はジャム島と異なる名前を持っている点もとてもユニークです。
130あまりの島が点在しているとされているクラビ周辺。ジャム島はその中の一つで、クラビから25kmのところに位置する、アンダマン海に浮かぶ小さな島です。ジャム島は南北に長い形をしています。北部には標高395mのプー山を中心に山が連なっていて、ここではゴムの木の栽培が盛んに行われています。山の麓を迂回するように作られた島のメインロードからは、広大なゴムの木畑が見えます。南部は北部に比べるとなだらかな土地で、自生する植物もほとんど人の手が入っていない、ありのままの姿をしています。地元の人々は、島の北部を「コ・ジャム」南部を「コ・プー」と呼んでいます(コとは、タイ語で島という意味)。
ジャム島の人々はほとんどがイスラム教徒で、大変にフレンドリー。北部で栽培されているゴムや漁業などに携わっている人が多く、手工芸ではパートーコプー(Pah Tor Koh Poo)という織物が有名なので、訪れた際にはぜひ手に取ってみてくださいね。お土産にもおススメです。
ハイシーズンは、11月から4月まで。この時期にはクラビからボートが出ています。ランタ島行の大型ボートがジャム島沖で停泊するので、島から迎えにきたロングテールボートに乗り換えましょう。雨季に訪れる場合は、クラビからソンテウなどでヌアクロンに行き、レムクラッド船着場からのロングテールボートを利用してください。このロングテールボートにはバイクを乗せることもできますので、レンタルバイクで訪れてもよいですね。
ジャム島では、島の西側にビーチが集まっています。観光客で溢れかえることのない、静かで穏やかなジャム島のビーチは、透き通った海は明るい水色が美しく、やわらかいベージュの砂浜が広がっているのが特徴です。中でもオススメなのは、島の南部に広がるアンダマンビーチ。ここは、島内のビーチの中でも比較的広く、風景を遮るものがないため開放的な雰囲気があります。リゾートからバンガローまで、宿泊施設が一番集まっているのも、このビーチ周辺。日が落ちてからも宿のレストランなどで賑やかに過ごせますし、ジャム島観光の拠点に便利です。プー山の麓、北部に広がるビーチは、マジックビーチやノーザンビーチなど。岩場の多いビーチで、自由に生え伸びるヤシの木の自然のありのままの姿が楽しめます。北部の宿泊施設はバンガローが中心となり、バックパッカーに人気のエリアです。この他、島の中部にはアオサイビーチが、南部にはゴールデンパールビーチがあり、それぞれバンガローが隣接しています。素朴なジャム島のビーチサイドでは、手作りブランコやハンモックが穏やかな島の風にゆらゆらと揺れています。豊かな自然の中で、ゆるやかな時間を満喫してくださいね。
ジャム島のバンガローはどこもリーズナブル、そして地元の人々の温かさに溢れています。アンダマンビーチに建つ「BO DAENG」は、ツリーハウスのような秘密基地感満点のバンガローが魅力のお宿。おおらかなお母さんの人柄にホッとできるこのバンガローは、島一番の味と謳われるボリュームたっぷりの料理が自慢です。おいしいローカルフードを求めて、近隣に宿泊している観光客も連日訪れるほど。あれもこれも食べたくなってしまいますが、最初は一皿だけの注文をおすすめします。そのボリュームをまずは確かめてみてくださいね。BO DAENGでは、隣接するレンタサイクルの店からピカピカのマウンテンバイクを借りることもできます。なんとこのお店を経営しているのは日本人!自転車で行くジャム島の絶景スポットやおいしいレストランなどを詳しく教えてもらっちゃいましょう。ジャム島のメインロードは南北に走っていますが、舗装されていない道もあるのでご注意ください。
数は少ないですが、ジャム島にはリゾートだってあります。「コ・ジャム・ビーチビラ」は、ゴールデンパールビーチ沿いに建つ、島で一番新しいリゾート。アンダマン海を望めるビラは全部で20棟弱あり、一つ一つのデザインが異なります。半分以上はプール付きのバンガロー、木のぬくもりが感じられるベットルームも広々としています。目の前に海が広がる絶好のロケーションに建つサラではマッサージが楽しめますし、オープンエアのレストランでは新鮮な魚介料理がいただけます。ホテルにはシュノーケリングのツアーデスクが併設されているので、近隣の海への日帰りシュノーケルツアーなどに参加することも可能。至れり尽くせりで味わえる島時間も捨てがたいものがありますね。ちなみに、ホテルの方針で部屋にテレビはありません。
ジャム島で味わえるのは、美しいサンライズやサンセット、ゆっくりいただく食事や、人々との触れ合いです。いわゆる「観光スポット」がないジャム島だからこそ、忙しい毎日の中で見逃してしまいがちな生活の中にある本来の魅力を再発見できるのかもしれませんね。
11月から乾季に入り、4月頃までは天気が安定しており、晴天が続きます。乾季のこの時期は、波が穏やかで透明度が上がるので、ダイビングやシュノーケリングなどを存分に楽しめます。一方、雨季はビーチでは波が高くなり透明度も低くなるため泳ぐのには適していません。本格的な雨季は9月~10月ですが、5月終わり頃から10月頃までは、朝と夕方にスコールが降ります。ローシーズンの雨季は、ホテル料金も下がるので、優雅なホテルステイをするにはお得なシーズンです。
天気予取得中... |
【クラビ空港からクラビタウン】
<タクシーを利用>
所要時間:約20分
料金:350THB
<シャトルバスを利用>
乗り合いのミニバス
所要時間:約30分
料金:90THB
【クラビタウンからジャム島】
<ハイシーズン>
クラビ港からランタ島行きのフェリーに乗船→ジャム島沖でロングテールボートに乗換え
<ローシーズン>
タクシーまたはソンテウでレムクラッド船着場(Lam Kruat Pier)→ジャム島行きのロングテールボートに乗換え
所要時間:1.5~2時間