タイの南部、アンダマン海に浮かぶリボン島。トラン諸島の中で最も大きなこの島は、イスラム文化が色濃く残る、のんびりとした素朴な島です。リボン島にあるのは、大自然と島民が生み出すスローな雰囲気。野鳥の観察スポットやマングローブでのエコアドベンチャーや美しいビーチなど、魅力もたくさんのリボン島。運が良ければ、絶滅危惧種のジュゴンの姿を見ることができるかもしれません。
リボン島へのアクセスは、トランに入るところから始まります。バンコクから飛行機で約1時間半でトラン空港に到着したら、タクシーやミニバスに乗り換えて港を目指しましょう。リボン島への船が出る港は二種類、パクメン港とハート・ヤオ港です。リボン島により近いのはハート・ヤオ港になりますが、パクメン港の周辺はトラン一有名なビーチや活気溢れるナイトマーケット、安価で質のよいコテージなどで定評がありますので、旅のスタイルに合わせて港を選んでもよいでしょう。ハート・ヤオ港からはロングテールボートで20分程度でリボン島に着きます。港から島が見えるくらいの距離です。このロングテールボートは、乗り合わせる人数によって料金が変わることがあります。ある程度乗客が集まれば50~100バーツほどが相場になりますので、あまりにも高い料金を請求される場合は、船着き場周辺でぶらぶらと観光を楽しみながら、他のお客さんを待ってみるのもいいかもしれません。
リボン島の玄関口はバンプラウという船着き場です。上陸したらまずは宿探し。リボン島には設備バッチリの至れり尽くせりなリゾートもあり、ビーチサイドのコテージで休日を満喫・・・も、もちろん最高なのですが、リボン島での滞在先でお勧めしたいのが、水上コテージです。ナバーンというエリアにある水上コテージリボンモルディブバンガローは、その名の通り海上にコテージが建っていて、床の隙間から海面が見える秘密基地のようなバンガロー。遠くにジュゴンの生息する海域を臨むベランダがあり、バストイレも完備、電気や水道もきちんと通っているので簡素でありながら不自由なく滞在できます。潮が引くと水上コテージが水上でなくなるのも、このバンガローの面白いところ。ちなみに宿泊代は300~500バーツほど。この安さも嬉しいですね。
リボン島は、多くの野鳥が生息していることや、渡り鳥たちが長旅の途中で羽休みにくる場所で、絶好の野鳥の観察スポットとして知られています。11月から12月にかけて、島の東側ジュホイ岬には1万羽を超える渡り鳥がやってきます。これはシベリアからの渡り鳥で、おびただしい数の鳥が頭上を飛び交う光景は圧巻です。この他にも様々な種類の鳥を観察できることから、バードウォッチングを目的に多くの旅行者が訪れています。
マングローブの原生林が広がるリボン島では、その自然を生かしたアクティビティを楽しむこともできます。川下りをしながらコウモリの棲家チャオクン・ケーブを探検するツアーや、天井の低い洞窟チョラケー・カーオ・ケーブ内を、船に寝そべって天井をたぐりながら進むツアーなどがあります。カヌーで密林を冒険するのも、旅の楽しい体験になること間違いなし。また、遠浅のビーチの多いリボン島は、干潮時にはビーチの面積がぐっと増え、そこで貝などを拾う地元の人々の姿を見ることもでき、野鳥たちの住むビーチに歩いて渡ることもできます。もちろん満ち潮のときは水も澄んでいて泳ぐことも可能。島のメインビーチはランカオビーチ。外洋に面しているので、景色が開けていて気持ちがいいです。すぐ近くにはラオサ島が、その向こうにはクラダン島が見えます。このビーチからは周辺の島をめぐるアイランドホッピングのツアーも多くでています。宿泊したホテルに手配してもらうのが一般的ですが、タイ語に自信のある方は、船を持つ地元の漁師さんに直接交渉するのもありです。リボン島の西にあるトーカエビーチは、澄んだ海が自慢の水遊びに最適なスポット。このビーチの楽しいところは、海遊びの後に天然のシャワーを浴びることができること。ビーチの隣にナムトック・ツン・ヤカと呼ばれる小さい滝があるので、海遊びに疲れたら天然のシャワーを浴びてリフレッシュしましょう。ジャングルロードの果てにあるレンパンジャンビーチは、地元の人々に愛される穴場ビーチ。プライベート感満載です。
そして、リボン島は夕日が美しいことでも知られています。水平線に沈む太陽が作り出す夕焼けは、まるで絵画のようです。滞在中は、極上のサンセットを、のんびりと味わってみてください。
リボン島で忘れてはいけないのが、ジュゴンの存在。人魚の伝説のモデルともなった海の生き物として知られるジュゴンは、現在は絶滅危惧種に指定され手厚く保護されていて、紅海、南シナ海のそれぞれ限られた海域と、オーストラリアのクイーンズランド付近でしか確認されていないのですが、実はリボン島の周辺はこのジュゴンの生息海域。島の周囲は海藻が豊富で、それがジュゴンたちのごちそうになるのです。遠くの海にその姿を確認できるだけでも感激ですが、浅瀬までやってきて海藻を食べることもあるジュゴン、もしも運がよければリボン島でその光景を目の当たりにできるかもしれません。一度見たら、その感動は一生ものになることでしょう。海藻の中でもジュゴンが食べるのはアマモのみで、その量は何と1日に数10kg!偏食動物とも言われていて、他の海藻はほとんど口にしないのだとか。ジュゴンは飼育が非常に難しいと言われているので、ジュゴンのいる水族館は世界的に見ても4か所のみなのですが、この水族館で暮らすジュゴンたちは空輸のアマモを食べるため、1年間の食費が約2000万円と言われています。ちなみに、世界に4か所きりのジュゴンのいる水族館、そのうちの一つはなんと日本にあります。三重県にある「鳥羽水族館」ではジュゴンの姿を見ることができます。お近くに行ったときにはぜひ。
11月から乾季に入り、4月頃までは天気が安定しており、晴天が続きます。乾季のこの時期は、波が穏やかで透明度が上がるので、ダイビングやシュノーケリングなどを存分に楽しめます。一方、雨季はビーチでは波が高くなり透明度も低くなるため泳ぐのには適していません。本格的な雨季は9月~10月ですが、5月終わり頃から10月頃までは、朝と夕方にスコールが降ります。ローシーズンの雨季は、ホテル料金も下がるので、優雅なホテルステイをするにはお得なシーズンです。
天気予取得中... |
トラン空港からシャトルバス→ハートヤオ桟橋→ロングテールボート→リボン島
所要時間:1.5~2時間