アンダマン海に浮かぶムック島には、トラン諸島を訪れた人たちの多くが訪れる、言わずと知れた名スポット「エメラルド・ケーブ」があります。また、島の東部にはプライベート感満載の小ぢんまりとした美しいビーチを持つことでも有名です。この島には、ハイクラスのリゾートや、観光客向けの店が所狭しと建ち並ぶような賑やかな通りはありません。島の人々の暮らしや豊かな自然が今も変わらずに守られているところが、この島の最大の魅力と言えるでしょう。
ムック島へのアクセス方法はいろいろありますが、やはりトランを入口にするのがお勧めです。バンコクから向かう場合は、1時間半のフライトでまずトラン空港へ。そこから港までは距離があるので、空港にあるツアーカウンターでタクシーを手配しましょう。ハートヤオ港からはフェリーで30分弱で島に着くのですが、このフェリー、場合によっては極寒である可能性も。高速バスや映画館など、公共の場で冷房が効きすぎているというのは有名なタイあるある。フェリーも例外ではありませんので、常夏の島への旅ではありますが、上着を1枚持っていると安心です。島々に近づくにつれて、窓の外のアンダマン海の色は、澄んだブルーやグリーンに!手つかずの楽園風景が、トランの港からわずか30分で味わえるなんて嬉しい驚きです。
ムック島はトラン諸島の中で3番目に大きい島とされていますが、そのほとんどは原生林。島の西側にあるムック島の玄関ファランビーチと、東側にある漁業を営む集落があるきりで、あとは野生のジャングルです。ムック島は、大自然と、現地の人々の営みが肌で感じられる素朴なリゾート地。ビーチを臨むホテルでのんびりするのもいいですし、美しい海を満喫できるアクティビティに出かけるのも楽しい選択。そして、ムック島のプライベートビーチ「サバーイビーチ」も必見。幅わずか50mほどの小ぢんまりとしたビーチですが、海の美しさと、そそり立つ岩山の迫力は圧巻です。陸からアプローチするにはジャングルを3kmほどトレッキングしなければなりませんが、ビーチまでロングテールボートで行くツアーが各ホテルから出ているので、ツアーに参加して訪れるというのがおすすめです。ムック島は宿が少ないため、ホテルやバンガローは満室になりがちです。ここで滞在を予定している時には、宿の予約状況を要チェックです。
トラン諸島への旅において、外せない名所「エメラルド・ケーブ」は、ここムック島にあります。干潮時にのみ海中から現れるトンネルを泳ぎ進み、360度をぐるりと崖に囲まれた入り江に上陸するという、エキサイティングな体験ができるアクティビティです。洞窟周辺の海の色は、その名の通りエメラルド。信じられない透明度を誇るグリーンの水をたたえた洞内を泳ぐことも、外からの光によってエメラルド色に輝く水面を目の当たりにすることも、ここでしかできない貴重な体験。洞窟は全長80mほどあり、途中は真っ暗闇の中を泳ぐことになるのですが、ガイドさんに導かれて泳ぎ進むと、大きな魚の口のようにギザギザとした洞窟の出口の向こうに、光に包まれた美しい入り江が見えてきます。石灰岩の断崖に守られるように外海から隔離された入り江では、白砂のビーチとエメラルド色の海のコントラストに息を飲むこと間違いなし。かつては海賊の宝の隠し場所だったという言い伝えもあるようですですが、こんなに美しい場所を隠し場所に選ぶとは、なんてロマンチストな海賊たち!エメラルド・ケーブへは、ムック島を始め、周辺の島々のほとんどのホテルから毎日ツアーが出ています。カヌーに慣れた人なら、ホテルから借りたカヌーで1時間ほどでエメラルド・ケーブに到着しますが、洞窟の中まで入っていくのであればやはりガイドさんのついたツアーをお勧めします。入り江から戻ってきたら、カヌーが潮に流されていた・・・なんてことがあると大変です。美しい景色に遭遇すると、写真に収めて旅の思い出にしたくなるのが旅人心。エメラルド・ケーブに訪れる時には、防水仕様のカメラをお忘れなく。
思う存分ビーチでのんびりして、アクティビティも大満喫!ムック島ではそれに加えて、島を散策しながら地元の人々の暮らしを覗かせてもらうのも楽しみの一つです。島民の多くはムスリムで、300家族(約1500人位)が東部で生活をしています。ホテルの集まるファランビーチから東の集落まではおよそ3kmほどの道のり。ぶらぶらと歩いても気持ちのよい距離ですが、ここではバイクの横にリアカーを取り付けただけの、ムック島ならではの「タクシー」に乗ってみましょう。舗装されていたりされていなかったりする道を、リアカーでガタガタと進むサイドカーのようなバイクタクシー。値段は一律50バーツです。道は島の中心に向けてなだらかな上り坂になっているのですが、このあたりはゴム園になっています。ぽつぽつと並ぶ民家では、ゴムの樹液を加工している様子を見られます。このゴム園を抜けると民家の建ち並ぶ地元の人々の居住区が現れます。カヌーで出入できる湿地帯や入り江に家を建てるのは、海洋民族の文化ならでは。漁業を生業にする人の多く暮らすこの集落では、ビーチの奥の木陰で、使用したエビ網を巻き戻す姿や、蟹を捕るための蟹籠を作る様子を垣間見ることができるかも。民家の脇で遊ぶ子供たちや台所から立ち上る「ムック島のおふくろの味」の匂い。異国情緒に存分に浸りながらも、気にしなくてはいけないのが帰宅時間。東と西をつなぐ道に街灯などは当然ないので、日の入りの前にはホテルに戻るようにしましょう。
11月から乾季に入り、4月頃までは天気が安定しており、晴天が続きます。乾季のこの時期は、波が穏やかで透明度が上がるので、ダイビングやシュノーケリングなどを存分に楽しめます。一方、雨季は西側のビーチでは波が高くなり透明度も低くなるため泳ぐのには適していません。本格的な雨季は9月~10月ですが、5月終わり頃から10月頃までは、朝と夕方にスコールが降ります。ローシーズンの雨季は、ホテル料金も下がるので、優雅なホテルステイをするにはお得なシーズンです。
天気予取得中... |
トラン空港からシャトルバス→ハートヤオ桟橋→スピードボート→ムック島
所要時間:1.5~2時間
料金:1150THB