ンガイ島は、トラン沖に浮かぶ小さな島。エメラルドグリーンの海とサンゴ礁に囲まれた島は、今も手つかずの自然が多く残っています。浅瀬でもサンゴやたくさんの熱帯魚が見られるので、初心者でも満足度の高いシュノーケリングが手軽に楽しめるのが大きな魅力。コストパフォーマンスの高いホテルが点在している、知る人ぞ知る隠れ家リゾートです。
コバルトブルーやエメラルドグリーンなど、宝石のような美しい海をたたえるアンダマン海に浮かぶンガイ島。日本人にとっては珍しい、「ん」の音から始まるンガイ島には、漁業や農業を生業にした人々が住む村落がなく、住民が全員リゾートの従業員であるのが特徴です。地元の人たちに「ハイ島」の名で親しまれているこの島は、珊瑚礁と澄み切った海に囲まれていてまさに楽園。矢じりのようなユニークな形をした島の東海岸には2.2kmにわたって白砂のビーチが広がります。バンガローやリゾートなどは、このビーチ沿いに点在しています。観光開発されていない島は、手つかずの自然でいっぱい。夜は8時を過ぎると真っ暗になりますし、ほとんどのホテルのレストランも9時過ぎには閉まってしまいます。観光に追われないスローな時間を過ごしたい方には最高の環境です。
ンガイ島はクラビ県のランタ諸島の管轄下にありますが、クラビの島巡りの拠点となるアオナンビーチからは遥か南東の海に位置しているため、アクセスは「トラン」からが便利です(旅行会社によっては、ンガイ島はトラン沖の島々と一括りにされていることも多いです)。クラビに次ぐナチュラルリゾートとして有名になりつつあるトランのパクメン桟橋から向かうと、スピードボートでたったの20分でンガイ島に到着します。島への便は、午前と午後の2往復。シーズンによって変動しますが、便数が少ないので事前に確認してから行くと安心です。トラン発のンガイ島日帰りツアーなどもありますので、こうしたツアーで訪れるのもお勧めです。
ンガイ島の魅力は何と言っても、島を取り囲む色鮮やかなサンゴ礁です。ビーチのすぐそばに浅瀬のサンゴが広がるスポットがあるため、初心者でもシュノーケリングでテーブルサンゴの群生を見ることができます。透明度の高いエメラルドグリーンの海の底に広がる、枝サンゴに、ハマサンゴ。そして豊かなサンゴ礁を縫うように、たくさんの魚たちが泳ぎ回っています。浅瀬のビーチで手軽に行えるシュノーケリングで、これほどの生態系に出会えるスポットは中々ありません。島のビーチはどこも美しいですが、白砂と海のコントラストが特に楽しめるのは、島の桟橋にほど近いエリア。ここは島のメインビーチで、縦に長く開放感もあります。
その他、シーカヤックで島の周辺を散策したり、国立公園内のトレッキングなどもおすすめです。また、ンガイ島周辺には個性的な島々が浮かんでいるので、こうした島に日帰りツアーで行けてしまうのも魅力のひとつ。ムック島のエメラルドケーブは、その名の通り鮮やかなエメラルドの水を湛えた洞窟。途中ライフジャケットを着込んで真っ暗な洞窟の中を泳いで進むというスリリングな体験ができる人気のスポットです。また、海底洞窟などのダイナミックなポイントが点在するハー島は、ダイバーに大変人気の島。シュノーケリングのツアーも多く出ています。
ンガイ島にある宿泊施設は10か所程度。観光スポットのないンガイ島では、旅のスタイルに合わせてホテル選びをするのがおススメです。ンガイ島には、バックパッカーに好まれるような安宿や五つ星リゾートはありませんが、コストパフォーマンスの高い宿泊施設が集まっていると近年注目を集めています。観光地に行くと1日1万~2万ほどの相場である「リゾート」と同じクラスの宿に、ここでは半額程度で泊まれてしまうのです。島で一番リーズナブルなのは「Koh Ngai Villa」。こちらはバンガローで、清潔感のある部屋に、水シャワーとトイレ、朝食が付いています。リゾートの中で特に人気を集めているのは、「コ・ンガイ・リゾート」。このホテルは、島の地形の関係で他のホテルからは隔離されたような場所に立地しています。島の中でも特に美しいサンゴ礁が広がる海がプライベートビーチになっているので、思う存分シュノーケリングが楽しめます。ンガイ島には桟橋が一つしかないのですが、コ・ンガイ・リゾートはホテル専用の桟橋を設けているため、アクセスがいいのも魅力のひとつです。隣のビーチまでは、歩いて30分ほど。アスレチックを彷彿させる手作り感満載の遊歩道で繋がっているので、探検気分で楽しく散策することができます。また、新しく出来たリゾートである「コ・ンガイ・クリフ・ビーチ・リゾート」も、プライベート感の高さとラグジュアリーな雰囲気から、近年人気急上昇中。美しいアンダマン海が一望できる、高台に作られたプールがおすすめです。
ンガイ島には村落がないため、電気・水道などは各ホテルで独自にまかなっています。そのため、リゾートであっても滞在中に温水シャワーが出なくなったり、電気が使用できなかったりする事態も。また、ホテルによってはパクメン桟橋までの送迎サービスがありますが、ンガイ島には桟橋が1本しかありません。ホテルの立地場所によっては、浅瀬をじゃぶじゃぶ歩いて上陸することになります。ゆったりした雰囲気と自然の美しさが魅力のンガイ島です。リゾートに宿泊する際にも、そんなハプニングも楽しむ気持ちで滞在してみてくださいね。宿泊施設は東海岸に建っているので、朝焼けから日が登るまでの時間の空の美しさは、何よりも心に残る旅の思い出になること間違いなしです。
11月から乾季に入り、4月頃までは天気が安定しており、晴天が続きます。乾季のこの時期は、波が穏やかで透明度が上がるので、ダイビングやシュノーケリングなどを存分に楽しめます。一方、雨季はビーチでは波が高くなり透明度も低くなるため泳ぐのには適していません。本格的な雨季は9月~10月ですが、5月終わり頃から10月頃までは、朝と夕方にスコールが降ります。ローシーズンの雨季は、ホテル料金も下がるので、優雅なホテルステイをするにはお得なシーズンです。
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トラン空港からシャトルバン(約1時間)→パクメン桟橋→スピードボート(約20分)→ンガイ島