ダルエスサラームの西約300kmの内陸に位置するミクミ国立公園は、タンザニアでは4番目に大きく、タンザニア最大の都市ダルエスサラームから最も近い国立公園です。忙しくてあまり時間がない旅行者でも短期間でサファリを楽しめる穴場スポットです。3,230平方kmの敷地には、ゾウやキリン、シマウマ、バッファロー、ライオンなど数多くの野生動物が生息しています。隣接する南部のセルース猟獣保護区とは、一つの生態系を形成しており、動物たちは自由に行き来しています。
料金:(16歳以上)35.40USD/1日(5-15歳)11.80USD/1日 ※5歳未満は無料
参考サイト:tanzaniaparks.go.tz
ミクミ国立公園は、ダルエスサラームから300kmほどの場所に位置しており、渋滞など交通状況によっては6~7時間かかることもありますが、スムーズに行けば4~5時間で到着します。ダルエスサラームを早朝に出発すれば、1泊2日でも1日目の夕方のサファリ、2日目の早朝のサファリと2回サファリを楽しめます。
ウズングワ山塊国立公園に隣接し、セルース猟獣保護区の生態系の一部でもあるミクミ国立公園は、周囲を山や丘に囲まれており、沼地や草原、低木地帯など変化に富んだ美しい景観が広がっています。周辺の丘の上は、朝日や夕日を鑑賞するのにも最適なスポットとなっています。ミクミ国立公園は、公園の中心を縦断する国道7号線を境に主に北西部と南東部の2つのエリアに分かれており、それぞれに異なる生態系があります。北西部は、アカシアやバオバブの木が点在する沖積の平野が広がっており、ゲームドライブに適しています。一方で南東部は植生が厚く野生動物はあまり見られないため、訪れる観光客はほとんどいませんが、丘陵地帯にある森は、多くの希少種や絶滅危惧種の野生動物の生息地となっており、セーブルアンテロープやローンアンテロープ、リヒテンシュタインハーテビースト、クードゥーなどが生息しています。
この2つのエリアの境界線となっている国道7号線を走っているだけでも周辺の草原で群れている野生動物が見られ、その多さには驚かされます。特にイエローバブーンは車をあまり恐れることもなく、国道脇で群れている姿が見られることも珍しくありません。
ミクミ国立公園の敷地の総面積は3,230平方kmで、タンザニアでは4番目の大きさを誇る国立公園ですが、ゲームドライブは、最も野生動物を観察できる北西部のムカタ平原と呼ばれるエリアで行うのが一般的です。このエリアは、リトル・セレンゲティの愛称で親しまれており、見られる野生動物の多さは、タンザニアの有名な国立公園にも引けをとりません。ミクミ国立公園では、アフリカのサファリで見ておきたいビッグファイブの内、サイ以外のゾウ、バッファロー、ライオン、ヒョウが生息しています。キリンやシマウマ、ヌー、バッファロー、ゾウ、インパラ、エランドなどの草食動物の群れはあちこちで見られ、それらを狙うライオンやヒョウ、ハイエナ、そしてリカオンなどの希少種も見られるチャンスがあります。そしてマニャラ湖国立公園をはじめ、タンザニア北部の国立公園で見られる珍しい習性を持つ木登りライオンは、ここミクミ国立公園でも出会える可能性があります。
公園北部の入口から5kmほどの場所にあるヒッポ・プール(人工のプール)では、カバが気持ちよさそうに昼寝や水浴びをしていたり、水面からワニが顔だけをのぞかせている姿が見られ、時に水を飲みにやってくるゾウやシマウマ、エランド、ヌーなどの動物の群れも見られます。このようにサファリの好条件が揃っているにも関わらず、知名度はそれほど高くないため、サファリカーが大渋滞して混み合うことも少なく、ベストポジションでじっくり動物の観察を楽しめるのもミクミ国立公園のサファリの醍醐味です。
ミクミ国立公園ではゲームドライブの他にもナイトサファリやウォーキングサファリ、バードウォッチング、キャンプなどを楽しめます。ナイトサファリでは、ヒョウやヤマアラシ、ジャコウネコ、ツチブタなど夜行性動物の生態を観察できるチャンスです。また、周辺は暗闇に包まれており光害がないため、晴れた日には空を埋め尽くす満点の星空を眺めることができます。
ウォーキングサファリは、その名の通り、レンジャーともに公園内を歩いて小動物や植物を観察することができます。気温の低い早朝や夕方に行うのが最適で、これら時間帯は動物たちが食べ物を探すために動きが活発となり、運がよければ肉食動物が狩りをする姿を目撃できるかもしれません。鳥のさえずりや虫の鳴き声など、美しい自然の音色に耳を傾けながらアフリカの大自然を堪能することができ、ゲームドライブとは一味異なる体験を楽しめます。
ムカタ平原は、ゲームドライブだけでなく、バードウォッチングにも最適なスポットです。ミクミ国立公園では、在来種と渡り鳥を含め400種類以上もの野鳥が観測されており、クロハラチュウノガンやホロホロチョウ、ヘビクイワシ、アフリカハゲコウ、ダルマワシなど大型の鳥からウシツツキ、ライラックニシブッポウソウ、キムネツメナガタヒバリなど写真映えする色鮮やかな野鳥もよく見られます。
ミクミ国立公園内には、ロッジやコテージ、テントキャンプなど好みに応じて選べる宿泊施設がいくつかあります。宿泊施設の近くの水場には、ゾウやバッファローなどが水を飲みやってきて、運がよければ宿泊施設にいながら動物の様子を眺めることができます。また、宿泊施設のオープンエアーのレストランで食事をしたり、ソファーで寛いでいるとブッシュベイビーやバブーン、野鳥がやってくることも珍しくなく、宿泊客の食べ物を狙う動物たちを間近で観察することができます。
日程に余裕があれば、ミクミ国立公園と合わせて周辺のウズングワ山塊国立公園やセルース猟獣保護区、ルアハ国立公園などタンザニア南部の国立公園を周遊するのもオススメです。北部の国立公園とは異なるよりワイルドな生態系を堪能することができるでしょう。
ミクミ国立公園は、一年を通して観光できますが、サファリを楽しむなら動物の動きが活発となる乾季の6月~9月がオススメです。標高が高い場所では朝晩は冷えるのでフリースなどがあると安心です。3月~5月は大雨季、10月~11月は小雨季です。雨季は道路状況が悪くなり行動範囲が限られることがありますが、動物の出産シーズンを迎え、さらに渡り鳥も訪れるのでバードウォッチングに適しています。
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