バガンから南東に約50kmに位置するポッパ山は、玄武岩でできた死火山でポッパ国立公園に指定されています。特に観光スポットとして人気なのが、ポッパ山の東にある岩山タウン・カラッ。タウン・カラッは、ミャンマーの民間信仰であるナッ神の総本山として知られており、国内から多くの参拝者が訪れます。頂上には、パゴダや礼拝所があり、ここから眺めるミャンマーの大自然の景色も一見の価値があります。
ポッパ山はバガンから日帰りで訪れることのできる観光スポットです。特にポッパ山の東側の麓にあるタウン・カラッという標高700mほどの不思議な形をした岩山が観光のハイライトとなっています。ここは、ナッ神の聖地で、パワースポットとしても知られています。ナッ神とは、ミャンマーに仏教が伝来する前から民間で信仰されていた精霊のことで、自然物に宿るものから擬人化されたもの、非業の死を遂げた人物まで多岐にわたります。ミャンマーに仏教が伝来した11世紀当時、パガン王朝のアノーヤター王が仏教を普及させるために、36のナッ神をまとめ、その上に仏教の守護神タジャーミン(帝釈天)を置く形で、仏教とナッ信仰の共存を図り、数あるナッ神の中でもそれら37のナッ神が最も重要とされています。ミャンマーの仏教施設を訪れると境内にナッ神像が祀られていることが多く、現在でもナッ神と仏教の神仏習合が広く受け入れられていることがわかります。
ポッパ山の麓に突如現われるタウン・カラッと、その岩山の頂上に建つ天空の寺院は、信仰心がなくても、思わず崇めたくなるような聖地に相応しい堂々とした姿をしています。ミャンマーの言い伝えでは、ポッパ山の頂上のクレーターとタウン・カラッがほぼ同じような形であることから、火山活動によって噴火した際にポッパ山の頂上部分が吹き飛んでこの場所に落ちたものであると伝えられています。真相は定かではありませんが、切り立った岩山の上に建つ寺院は、神聖な空気に包まれた独特な雰囲気を醸しています。
タウン・カラッに近づいてくるとポッパ山の麓には、仏塔や彫像などの他、売店や食堂が建ち並んでおり、参拝の前後で休憩や食事を取ることができます。タウン・カラッの麓には、ナッ神を祀った小さな建物があります。建物内には、カラフルな衣装を纏った37のナッ神がズラリと並んでいるのですが、神様でありながらナッ神像はどこかコミカルで親しみやすい雰囲気のものが多く、見ているだけで思わず笑みがこぼれてしまいそうになります。
参道となる階段の入口では2体の白いゾウの大きな像が出迎えてくれます。タウン・カラッもミャンマーの他の寺院やパゴダと同様に土足厳禁のため靴を脱いで裸足で上がります。入口からすぐの参道の両脇には土産物屋が軒を連ねています。タウン・カラッの頂上へは断崖に沿うように造られた777段の長い階段を20~30分ほどかけて登っていきます。タウン・カラッは、野生の猿が多く生息していることでも有名で、参拝の途中に猿たちが走り回ったり、餌を食べたり、昼寝をしたりする自由気ままな姿を見ることができます。猿たちは、基本的には襲ってくることはあまりありませんが、食べ物やビニール袋、光り物などを持っているとそれらを狙って飛びかかってくることがあるので、手荷物には十分ご注意下さいね。
頂上には、パゴダのほか、礼拝堂や祠がいくつも並んでいて、狭い場所にナッ神と仏像が混ざり混沌としています。タウン・カラッは聖者とされるボーミンガウンが瞑想修行した地でもあり、ボーミンガウン像も祀られています。ボーミンガウンは、任侠映画に出てきそうないかにも強面な表情をしています。ボーミンガウンは、生前お酒とタバコが好きだったため、それらを供えると願いが叶うと言われています。ナッ神像や仏像の背後にはLEDの電飾が施され、エキセントリックでどこか世俗的な雰囲気が漂っているのもミャンマーではお馴染みの光景。しかし、あちこちでミャンマーの人々が熱心にお祈りを捧げる姿が見られ、大切な信仰の場であることがうかがえます。また、頂上のテラスからの眺めはとてもよく、ポッパ山の全景やミャンマーの大地、さらに天気の良い日にはバガンやその先の地平線まで見渡すことができます。頂上までの道のりは、かなりキツイですが、頂上から眺める絶景は疲れも一気に吹き飛ぶことでしょう。
タウン・カラッを観光した後、時間があればすぐ近くのポッパ山国立公園へ立ち寄るのもオススメです。ポッパ山とその周辺は緑が多く、乾燥地帯であるミャンマー中央部のオアシスとも言われています。火山灰の肥沃な土壌と多くの泉や小川に恵まれ、たくさんの草木や花々が自生しています。マイナスイオンをたっぷり浴びながらトレッキングなどのエコアクティビティを楽しめます。公園内でオススメなのがタウン・カラッから車で10分ほどの場所にあるポッパ・マウンテン・リゾート。山の中のリゾートですが、設備が整っており、快適に過ごすことができます。ここから眺めるタウン・カラッとサンセットは美しく日程に余裕があればぜひ滞在したいところ。また、レストランのテラス席は、タウン・カラッを見下ろせる絶好のビュースポットとなっていて、宿泊しなくてもランチや休憩で利用することが可能です。メニューもインターナショナルな料理を提供していて味にも定評があるため、外国人旅行者に人気のスポットとなっています。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
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世界三大仏教遺跡バガン+ミャンマー仏教の聖地ポッパ山観光ツアー<国内航空券込/ヤンゴン発着/1泊2日/日本語ガイド/食事付> | 2日 | |
ポッパ山日帰り観光 | 6時間 |
ミャンマー中部に位置するバガンは、1年を通して降水量が少ない地域です。観光のベストシーズンは、気候が安定して比較的過ごしやすい11~2月頃の乾季です。ただし乾季は、朝晩は15℃を下回ることもあるので防寒着が必要となります。3月~4月は酷暑期で気温が40℃前後まで上がる日もあります。5~10月頃は雨季となりスコールがありますが、1日中降り続くことはほとんどありません。
天気予取得中... |
【ニャンウー空港~ニャンウー市内】
<タクシー>
空港からのタクシーは定額制
所要時間:約10分
料金:5,000MMK
【ニャンウーからポッパ山】
<乗り合いタクシー>
所要時間:1.5~2時間
料金:10,000MMK前後
<タクシーチャーター>
所要時間:1~1.5時間
目安料金:30,000~40,000MMK