イサーン地方の最北部に位置する県、ノーンカーイ。ラオスとの国境沿いにあり、タイ・ラオス友好橋からラオスに入国することができます。メコン川より引き上げられたという言い伝えの残る本尊が安置された寺院ワット・ポー・チャイや宗教をモチーフにした不思議な彫刻が点在する庭園サラ・ケオ・クーなどが見どころ。北イサーンの郷土料理も思い切り楽しみたい。
ノーンカーイを代表する寺院「ワット・ポー・チャイ」では、ラオスの全盛期であったとされるランサーン王朝の影響を受けている本尊が有名です。ビエンチャンの王妃の命で造られた純金製の本尊には、こんな言い伝えが残されています。元々この仏像は同じものが3体作られ、ラーマ3世の時代にビエンチャンから贈られたものでした。ところが移送される途中、3体の仏像はメコン川に沈んでしまい、必死の捜索の末、後に引き上げられたのがこのご本尊であったというものです。本尊は今も地元の人々からの厚い信仰を集め、寺院はいつも多くの参拝客で賑わっています。またこの寺院では、本尊の由来などをモチーフに描かれた本堂内の壁画も大きな見どころ。オレンジがかった淡い色彩で壁一面に広がる仏教の世界観に圧倒されます。ワット・ポー・チャイは、ノーンカーイ中心部より車で約10分。バスターミナルの近くに建ち、メコン川の遊歩道や市場までは徒歩で向かうことができます。
「サラ・ケオ・クー」は、ラオスの宗教家ブンルア氏によって造られた庭園。園内には豊かな自然の中に、仏教とヒンズー教の宗教観を具現化したとされる巨大な仏像やモニュメントが点在しています。高さ25メートルあまりのとぐろを巻いたナーガに座する仏像や、顔の下から手が伸びる巨大な四面仏など、どこかユーモラスな彫刻も多く、中には現代アートのような作品も見られ、独特な雰囲気が漂っています。時間帯によっては、スピーカーから大音量で音楽に乗せたお経が流れることも。見逃せないノーンカーイの町の名物スポットです。入場料は20バーツ。ノーンカーイの中心部から車で20分ほどの場所に位置しています。
「ターサデット市場」は、メコン川のほとりに発達したアーケード式のマーケット。ここからは、対岸のラオスへ渡るフェリー乗り場があり、両国を行き来する地元の人々でとても賑わいを見せる一帯になっています(外国人はフェリーに乗船することはできません)。ここでは、食品や日用品や衣類はもちろん、食器、仏像、陶器、電気製品まで、さまざまな種類の店が軒を連ねています。かつてはラオス製品を取り扱う店が多く見られましたが、近年は中国製の食品や雑貨などを扱う店も増えてきています。お惣菜を扱う店もあり、地元の味が楽しめるのも魅力の一つ。
ノーンカーイは自然が多く残り、素朴でのどかであることが魅力なのですが、近年ではゴルフコースなども整備され、ゴルファーからも注目されています。「ビクトリーパーク」は、ノーンカーイで最初に開発されたゴルフコース。ウォーターハザードや大きなバンカーがあり、難易度の高い設計になっていることが、上級者たちの人気を集めています。ラオスとの国境が近いため、ラオス人のゴルファーも多く訪れます。
ノーンカーイからは、ラオスへ入国することもできます。2つの国を結んでいるのが、メコン川に架かる「タイ・ラオス友好橋」。1994年にオーストラリア政府の援助を受けて建設された橋は、長さ1174メートル。車両専用橋となっているため、国境を超える際には両国の国境検問所を往復するミニバスを利用しましょう。日本人がラオスに入る場合、観光目的で15日未満の滞在の場合はビザは不要ですので、出国カードを受け取りバスに乗るだけで入国が可能です。また、タイ・ラオス友好橋上には鉄道も走っているので、列車で国境を超えることもできます。2008年7月竣工した鉄道は、2009年に完成。同年の3月6日から、1日2往復の定期旅客列車の運行が始まりました。
列車が走るのは、ノーンカーイ駅から川に架かる友好橋を通って、ラオスの首都ヴィエンチャン郊外にあるターナレーン駅まで。現在はターナレーン駅からビエンチャンの中心部までは連絡バスが運行されていますが、この中心部まで鉄道で行けるように、駅の建設や線路を9km伸ばす計画が立てられています。ちなみに、このタイ・ラオス友好橋は国境である橋の中央までは歩道が整備されており、見学することができます(国境越えはできません)。開放時間は8時から17時まで。橋の下には公園も広がっているので、こちらと合わせて散策するのもおすすめです。
ノーンカーイは、メコン川を挟んでラオスとの国境を有するタイ北東部の県。アルファベットの「W」のような形をしていて、コラート台地に位置しています。イサーンと呼ばれるタイ東北地方にはベトナムからの移民が多く、文化が融合して定着している様子が建築物や工芸品などに見られるのですが、料理もその内の一つ。中でも有名なのは、豚肉の練り物を串に巻きつけて焼いたソーセージのような「ネームヌアン」。ネームヌアンは、小さく切ってからハーブやニンニク、青バナナ、青マンゴー、唐辛子と共にライスペーパーに包んで食べるのが主流で、ベトナム風の春巻きとして知られています。この春巻きはノーンカーイの名物になっており、メコン川沿いにはネームヌアンを楽しめるレストランやカフェが並んでいます。また、ムーヨーと呼ばれるポークハムもこの町の名物、ぜひ試してみてくださいね。
11月から2月の乾季は雨が少なく気温、湿度ともに高くなりすぎず観光に適したシーズンです。12月が一番涼しくなります。乾季には、寒暖の差が激しく朝晩は肌寒くなり、この時期は長袖の上着が必要になります。3月から雨季に入る5月頃までは気温が上がり、平均最高気温が36度を超えることもあります。5月から9月までは雨季となり、特に8月は雨が多くなります。
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【ウドンタニ空港からノーンカーイ】
<ミニバスを利用>
空港カウンターでチケットを購入
所要時間:約50分
料金:200THB