ペー・ムアン・ピーは、風や雨の浸食によって、長い年月をかけて作られたキノコのような形が印象的な岩が群生する自然公園です。間近で見学できるキノコ岩は、大きなものでは30mを誇ります。大小様々な奇岩はどれも見応えがあるものばかりです。敷地内には森林も広がっていて、奇岩群を見下ろせるスポットから森林浴をしながら戻ってくるトレッキングコースも設けられています。
ペー・ムアン・ピーは、タイ北部のプレー県にある自然公園です。面積500ライ(約80平方km)を誇る広大な敷地内に広がっているのは、荒涼な地に群生するキノコ岩の光景。この独特な風景は、トルコのカッパドキアや、アメリカのグランドキャニオンなどによく例えられています。柱状の岩に平たい岩が乗せられたような不思議な形の奇岩は、風や雨の浸食作用によって、硬い地盤のみが残されることで形成されています。これらの浸食はおよそ300万年から200万年前に起こったと考えられています。柱を形成している石や土や砂が大昔から変わらない形で現在まで残っていると思うと、とても感慨深いですね。ペー・ムアン・ピーの浸食は現在も続いていて、敷地内にはキノコ型にはまだ至らない隆起した岩や、地層がむき出しになったエリアなどが点在しています。珍しい奇岩はどれも、長い年月をかけて作り上げられた自然の芸術作品。ペー・ムアン・ピーはプレーを代表する観光スポットでもありますので、プレーに訪れた時にはぜひ立ち寄ってみてくださいね。プレーの市街中心部からペー・ムアン・ピーまでは約10kmで20~30分程度。ソンテウをチャーターして向かうのが一般的です。自然公園の一帯は、ピーパンナーム連山(ティウカオ・ピーパンナーム)の一部に属していて、周囲は豊かな森林に囲まれています。
ペー・ムアン・ピーの公園入口では、手入れされた花壇に花が咲き乱れています。駐車場は広く売店などもあり、園内に続くコンクリートで舗装された歩道は広く、歩道の両脇には樹木が植えられている・・・とここまではこうした自然公園でよく見られる光景なのですが、この歩道を200~300mほど進んでいくと、突然目の前に広がるのは砂と岩ばかりが広がる荒々しい大地と、大小様々なキノコ岩の数々。高さ5m級のキノコ岩があちこちに点在し、大きなものでは、その高さは約30mにものぼり圧巻の一言です。キノコ岩と一口に言っても、傘の部分の大きなシイタケ型、柱の部分が長方形をしたエリンギ型、柱も傘も小さくて可愛らしいしめじ型と、その形は千差万別。今まさに浸食が進んでいる絶壁や崩れゆく岩なども、とても見応えがあります。ペー・ムアン・ピーでは、これらの奇岩群を間近に見学できる道のほか、一帯を見渡せる高台から周囲の森へ続く遊歩道も設けられていて、トレッキングを楽しむこともできます。「ペー・ムアン・ピー」とはこの地方の方言で、「荒涼とした灌木林」という意味を持っています。他にも「静寂な森」や「お化けの国」など、さまざまな解釈があるのですが、それらは全て、この地に伝わる次のような言い伝えが元になっています。
大昔、ある老婆がこの森の中で抱えきれないほどの金銀を発見し、とても一人では運びきれないので一度村に帰り村人たちを連れて戻ってくると、そこには金銀はなく、得体のしれないものの足跡だけが残されていたのだとか。この足跡の主は精霊だと信じられたため、地元の言葉で霊を表す「ピー」が、地名についたと考えられています。
ペー・ムアン・ピーのあるプレー県は、バンコクからは約600km離れていて、タイ北部に位置します。プレーとは北部タイの言葉で「勝利」を意味するのですが、これはランナータイ王国がモン族の制圧を祝したことに由来すると言われています。プレーの歴史は古く、城壁の残る古都としても知られていますが、何と言っても有名なのはモーホーム。モーホームとは藍染の生地(この生地はトンホームと呼ばれています)で作られた丸首のシンプルな半袖シャツのことなのですが、プレーは伝統的な手法でモーホームを生産している数少ない産地の一つで、県内にある工房は見逃せない観光スポットになっています。こうした工房では、藍を育てることからはじまり、発酵させて染めるところまでの全ての工程が同じ場所で行われます。藍染の商品は町中至るところで取り扱っているので、お土産にもおすすめです。近年では、自然の風合いを生かした藍染の生地を流行りのデザインの服に仕立てて、海外へ販売することも増えてきました。メイド・イン・タイランド表記の藍染商品を見かけたら、それはプレーで作られたものかもしれませんね。
バンコクからプレーまでは、飛行機だと1時間半ほど。バンコク・ドンムアン空港からノックエアーが出ているのですが、1日2便程度と少ないのでご注意ください。鉄道で向かう場合は、タイ国鉄の北本線デンチャイ駅で下車しましょう。デンチャイ駅からソンテウで30分ほどで、プレーの市街地に到着します。バスで向かう場合は7~8時間。バンコク北バスターミナルから、チェンマイ、ランパーン、プレー、ナーンの順のルートでバスが走っています。チェンマイからは4時間ほどです。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
---|---|---|
1泊2日藍染とチークの町、古都プレー散策 | 2日 |
プレー県は雨季、乾季に分かれています。雨季は5月から10月まで雨の多い日が続きますが、大雨の影響で気温が下がり過ごしやすくなります。乾季の11月から4月は過ごしやすく観光にも適していますが、2月頃から雨季に入る5月頃までは気温が上昇し非常に暑くなります。こまめな水分補給を心がけましょう。
天気予取得中... |