タイ東北部のルーイ県にあるプー・クラドゥン国立公園は、プー・クラドゥンという山を中心に、周囲の自然をタイ政府に保護された一帯です。ここではタイでは珍しく「登山」を楽しむことができる他、頂上にはキャンプ施設や食堂などが整備されています。大きな見どころは、山の西にあるロムサック壁の奇岩。山肌から突き出た1枚岩から臨む絶景は見逃せません。ロムサッムはサンセットポイントとしても知られています。
営業時間:(ビジターセンター)8:30-16:30
休業日:6月~9月は閉鎖
国立公園入場料:500THB
コラート高原の北西に立つプー・クラドゥンは、標高1316m。山頂付近が平たくなっていることと、山の周りが全て崖であることが特徴で、真上から見るとハート型をしているという何とも可愛らしい山です。山がハートの形をしていることから、恋人同士で登ると愛が深まるという話もあるほど。プー・クラドゥンでは登山を楽しむことができるため、シーズンになると国内外からたくさんの登山客が訪れます。山頂でのキャンプもとても人気です。公園内に入れるのは10月から5月までの期間。プー・クラドゥン国立公園に行く際には、バンコクやコーンケーンからバスでプークラドゥンに入り、そこから待機しているソンテウで国立公園の窓口に行く方法が一般的です。バスに乗る際にプー・クラドゥン国立公園に向かうことを運転手に告げると、ソンテウの集まるターミナルで下ろしてくれるでしょう。
プー・クラドゥンは、タイでは数少ない「登山」ができる山として知られています。タイの北部には標高2000mを超える山がいくつかありますが、そのほとんどは頂上までの道が整備・観光地化されていて、車やバイクで登ることができてしまいます。標高2565mのタイ最高峰ドイ・インタノンですら、車で行けてしまうのです。そのため、日本では馴染み深い登山も、タイの人々にとってはとても珍しいアクティビティ。プー・クラドゥンは、「タイ人が一生に一度は登りたい山」と言われています。
このプー・クラドゥンの登山では、タイならではのサービスと光景を見ることができます。それが、荷物を運んでくれるポーターさん達。なんとプー・クラドゥンには荷物を運んでくれるポーターが麓に大勢待機していて、登山の際に手持ちの荷物を運んでくれるのです。荷物を自分で持つ必要のない登山は、なかなか体験できないものですよね。ポーターたちは、振売りのように長い棒の両端に荷物を下げて肩にかつぎ、男性なら60kg、女性でも40kg以上の荷物を持って山道を登って行きます。これだけの荷物を持ちながらも、登山客が頂上に着く1時間後には到着するというのだから、その足腰の強さとバイタリティには脱帽です。荷物は1kgあたり15バーツで運んでくれます。ポーター4人がかり、2000バーツでなんと「人」も運んでくれるというから驚きです。登山する際には、麓の受付で登録手続きをして入園料を支払いましょう。山頂までは全行程登り道で約5km、4時間~5時間くらいかかります。道幅は全体を通して割と広く、足場もある程度整備されていますが、竹の枯葉は滑りやすいのでご注意を。頂上までの間、食事をとれる休憩所は5ヶ所あり、見晴のよい場所でタイの屋台料理を食べることができます。どんどん下がっていく気温や、吹き抜ける気持ちのよい風を感じながら、タイでの登山をぜひ楽しんでみてくださいね。
プー・クラドゥンは見どころの大変多い山なので、訪れた時には日帰りではなく、キャンプで1泊するのがおすすめです。プー・クラドゥンの頂上にはビジターセンターがあり、その横にキャンプ場があります。キャンプ客の多くはテントを持参して訪れますが、レンタルももちろんあります。大勢で泊まる際にはバンガローを利用することも可能です。頂上には食堂も充実しているので、自炊道具や食材を持ち込まなくてよいのが大きな魅力。テント一つでキャンプを楽しむことが出来るのは嬉しいですね。ただ、プー・クラドゥンでのキャンプの際に気を付けなくてはいけないのが気温です。標高1000mほどの頂上辺りでは、日が出ているうちは涼しくて快適なのですが、夜間になるとその気温は10度以下になり、冷え込む日は0度以下になることも。常夏の国「タイ」では、この寒さも貴重な体験で人気の秘密なのですが、防寒対策はしっかりとして訪れましょう。
キャンプ翌朝は早起き必須!頂上には、雲海から昇ってくる朝日を拝める絶景ポイント「パー・ノックエーン」があるのです。天候に左右される絶景ポイントではありますが、見逃せないスポットです。また、ビジターセンターでは自転車を借りることができるので、サイクリングで観光ポイントを巡ることもできます。この際に、ここでお弁当も一緒に買い込んでおくととても便利です。滝なら、ワン・クワーンやワン・ポッブ、ポーン・ポッブなど、池なら松林に囲まれたアノーダード池や象や鹿などの野生動物もやってくるケオ池などが見どころ。ただし、乾季後半になるにつれて川の水は干上がっていってしまいます。2月頃に訪れると滝がない!という事態に出くわすことも。滝や川などの光景を楽しみたい人にとっては、11月頃の雨季明けがベストシーズンです。12月~1月の期間にはバード・ウォッチングを愛好する人々で賑わう他、カエデの名所としても知られるプー・クラドゥンですが、絶対に外せないスポットが「ロムサック壁の奇岩」です。山肌から突き出た珍しい1枚岩は、すぐ近くに立つユニークな枝を持つ松の木と合わせて、プー・クラドゥン最大のビュー・スポットになっています。ロムサックを見なければプー・クラドゥンから帰れない、と言われるほど。このスポットは山の西側に位置するので、美しいサンセットを見ることもできます。ただ、ビジターセンターまで山道を自転車で帰ることになりますので、あまり暗くならないように気を付けてくださいね。
11月から2月の乾季は雨が少なく気温、湿度ともに高くなりすぎず観光に適したシーズンです。3月から雨季に入る5月頃までは気温が上がり、平均最高気温が36度を超えることもあります。5月になるとモンスーンシーズンとなり10月まで雨の多い日が続きます。この時期は、雨の影響で日中の気温が下がり、夜も比較的過ごしやすい暑さになります。山頂は、夜間は冷えるので長袖の防寒着が必要です。
天気予取得中... |