ローゼンボー城は、17世紀初頭に国王クリスチャン4世によって建設された夏の離宮です。クリスチャン4世は、この城をとても気に入り、夏だけでなく多くの時間をここで過ごし、最期もこの城の自身の寝室で生涯を閉じました。現在は、博物館として内部が一般開放されており、部屋のインテリアや豪華な調度品、王室の貴重なコレクションなどを見ることができます。ローゼンボー城の周辺は、手入れの行き届いた美しい庭園が広がっており、散策やピクニックを楽しむ人々で賑わっています。
営業時間:(1/2-4/15、11/1-12/22、12/31)10:00-15:00
(4/16-5/31、9/1-10/31、12/26-12/30)10:00-16:00(6/1-8/31)9:00-17:00
※チケットの購入は閉館20分前まで
休業日:11月-4月の月曜(冬休み期間、イースター休暇期間は月曜も営業)、1/1、4/29、12/23-25
※詳細はHP参照
料金:(大人)110DKK(学生)75DKK(17歳以下)無料
公式サイト:kongernessamling.dk
(2018年12月現在)
ローゼンボー城は、コペンハーゲンの中心部に位置し、現デンマーク王宮のアマリエンボー宮殿からは西に約1kmの場所にあります。デンマークの偉大な君主として知られるクリスチャン4世により1606年から28年もの歳月を費やし建設されました。クリスチャン4世は、領土内に多くの都市や建造物を築いたことで知られていますが、ローゼンボー城はその中でも代表的な建築物です。煉瓦造りの外壁と高い塔が印象的なルネサンス様式の建物は、何度か改修が行われてきましたが、保存状態がよく、現在もかつての壮麗な姿は健在です。
クリスチャン4世は、この城をこよなく愛し、ここで臨終を迎えることを希望し、亡くなる直前に馬車で移動し、この城の自身の寝室で息を引き取りました。クリスチャン4世の死後も18世紀初頭までは、王室の離宮として使用されていましたが、フレデリック4世の時代に新たにフレデリクスベア宮殿が建てられると、ローゼンボー城は、王室コレクションの保管場所として利用されるようになりました。1838年からは一般開放されるようになり、現在は国有資産として管理されています。
ローゼンボー城は、地下、地上階、1階、2階を見学することができます。各部屋は豪華な装飾や調度品で飾られており、一歩足を踏み入れると、数世紀前にタイムスリップしたような空間が広がっています。地上階は、クリスチャン4世に縁のある部屋がたくさんあります。
クリスチャン4世の冬の部屋は、ローゼンボー城の原型が最もよく残されている部屋です。2005年の修復の際には、格子柄の大理石の床の下に地下に続く空洞が発見されました。これは地下の礼拝堂で演奏された音楽が聞こえるようにするための音響管の役割を果たしています。この発見は、クリスチャン4世が、ゲストを音楽で迎えていたという内容が記された当時の記録を裏付けるものとなりました。また、16世紀に時計職人のイザーク・ハプレヒトにより制作された天文時計も見どころとなっています。イザーク・ハプレヒトは、ストラスブール大聖堂にある世界最大級の天文時計を手がけたことでも知られています。
クリスチャン4世の書斎には、もともと地下に続く階段がありましたが、フレデリック3世の時代にロープで昇降できる椅子(現在のエレベーターの原型のようなもの)が作らレました。これは、この時代には大変画期的な設備でした。この他、書斎には、主にクリスチャン4世と彼の家族にまつわる記念品や絵画が展示されています。
クリスチャン4世の寝室は、クリスチャン4世が息を引き取った部屋で、彼に関する品々が多く展示されています。
クリスチャン5世の間の壁には、豪華なタペストリーや王と王妃の肖像画が飾られています。立派な暖炉や日本の漆塗りが施されたキャビネット、楽器を演奏するオーケストラの姿が描かれた天井画など贅を尽くした装飾や調度品も必見です。
2階の大部分は、騎士の広間と呼ばれる大広間となっています。元は舞踏会場として作られましたが、18世紀頃から集会や宴会ホールとして利用されるようになりました。デンマークの紋章が描かれた漆喰の天井には、フレデリック4世の統治下の歴史的な出来事のレリーフが施され、4つの絵画は、王権を示す4つの宝器(王冠、宝珠、剣、笏)を表しています。また、3頭の銀のライオン像に守られた戴冠式用の玉座も見ることができます。
この他、2階では陶器やガラス製品を展示した部屋があり、陶器の部屋は、ロイヤル・コペンハーゲンのフローラダニカシリーズのオリジナルが国宝として展示されています。フローラダニカは、ロシアの女帝エカテリーナ2世へ贈るために制作が開始されました。2600点の植物を食器に描くという壮大な計画で、絵付師のバイエルが手書きで一つ一つ描いていましたが、制作が完了する前にエカテリーナ2世が他界したため、制作は中断されました。バイエルは12年かけて実に1802点にも及ぶ作品を手がけましたが、現存するのは1530点ほど。フローラダニカは、不朽の名作となっていて、今でもコレクターの間では高値で取引されています。
この他にも、1階には歴代の王や王妃の部屋、地下にはデンマーク王室の宝物コレクションの展示など見どころが多く、デンマーク王室の華やかな歴史を目で楽しみながら辿ることができます。
ローゼンボー城の周りに広がるルネサンス様式の広大な「王の庭園」もクリスチャン4世により造園されました。手入れが行き届いた庭園は、春から夏にはカラフルな花々が咲き誇ります。庭園は、一般開放されており、誰でも自由に立ち入ることができます。特に天気のいい日には、園内を散歩したり、芝生の上で寛ぐ人々の姿がたくさん見られ、地元の人々の憩いの場となっています。ローゼンボー城を訪れる際は、サンドウィッチなどを持参して、この庭園でピクニックを楽しむのもオススメです。また敷地内には、温室のようにガラス窓に覆われたレストランがあります。店内は自然光が差し込明るい雰囲気で、庭園を眺めながら食事やカフェタイムを楽しむことができます。気候のいい季節は、テラス席も人気です。
国王クリスチャン4世が愛したローゼンボー城は、お城としては規模はそれほど大きくありませんが、デンマーク王室の歴史に触れながら、美しい庭園で寛げ、穏やかな時間を過ごせるスポットです。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
---|---|---|
選べるバス&ボートが乗り降り自由!ホップオン・ホップオフ 市内観光ツアー<48時間有効/コペンハーゲン発> | - | |
出発地を選べる!運河クルーズツアー<コペンハーゲン発> | 1時間 |
コペンハーゲンは、四季がはっきりとしていて、観光のベストシーズンは、最も過ごしやすい夏の6月~8月です。緯度が高いため夏季は日照時間が長く、観光に十分時間を取ることができます。沿岸を流れる暖流の影響で高緯度の割には温暖ですが、冬は日照時間が短くなり、厳しい寒さとなるので防寒対策は万全に。
天気予取得中... |