バンコクからおよそ600kmの場所に位置するノーンカーイ県。ここにあるユニークなスポットがサラ・ケオ・クーです。20世紀の宗教家ルアンプー・ブンルア・スリーラット氏が作った庭園内には、複数の宗教を融合したモニュメントが所狭しと並んでいて、寺院とは一味違う、独特な雰囲気を醸し出しています。園内のモニュメントはコンクリート製で、全てスリーラット氏の信者たちによって作られました。
営業時間:8:00-18:00
料金:20THB
サラ・ケオ・クーは、1978年にラオスの宗教家ルアンプー・ブンルア・スリーラット(Luang Pu Bunleua Sulilat)氏によって造られた庭園です。ブンルアは名前、スリーラットは名字、ルアンプーとは高齢の僧侶に対する敬称です。園内には、ヒンズー教と仏教の融合した宗教観により作られたモニュメントが点在しているのですが、その一つ一つが非常に大きいのが印象的です。スリーラット氏が夢で見た世界を忠実に再現したとされるこれらのモニュメントは全てコンクリート像。像の土台にはそれぞれイサーン語による解説が彫りこまれています。園内には白い3階建ての建物も建っていて、中は自由に見学することができます。建物の1階部分には土産物屋があり、曜日仏が並んでいます。タイでは曜日を司る仏像が8体あり(水曜日が2体あるため)自分の生まれた曜日の仏像にお参りするという習わしがあります。日本ではあまり馴染みのない誕生曜日ですが、タイではとてもポピュラーで、占いに使われていたりするほど。タイに行く前に、自分の生まれ曜日を確認していくとよいかもしれません。ちなみに、この建物の上階にはスリーラット氏が埋葬されています。カラフルな電飾に照らされた、とても賑やかな祭壇は一見の価値ありです。また、このサラ・ケオ・クーの園内で水を飲んだ人は、全財産をこの庭園に貢ぎたくなるという面白い都市伝説も!タイミングがよければ音楽に乗せたお経が聞けることもあり、このユニークな庭園はノーンカーイで見逃せないスポットの一つとなっています。サラ・ケオ・クーはノーンカーイ中心部より車で20分ほど。庭園周辺にはタクシーやトゥクトゥクがあまり走っていないので、向かう時に往復の値段で交渉するのがおすすめです。
この個性的な庭園を造り上げたスリーラット氏は、1932年にノーンカーイに生まれました。学校での勉強に興味を示さず、家を飛び出して高僧に弟子入りしては両親に連れ戻されるという子供時代を送っていたそうです。青年になり、白装束を身に纏って洞窟で仙人のような暮らしを始めた頃から彼を敬う者も現れ始めたのですが、スリーラット氏を危険視する者も多く、思想犯として投獄されたことも。その後、30歳になる頃にノーンカーイからメコン川の対岸ラオスに移住し、自らの世界観を具現化した庭園「ブッダ・パーク」を建設。建設後、再びタイに戻ってきて作り上げたのが、このサラ・ケオ・クーでした。
庭園の名は、彼が若い頃に出会った精神的指導者の名前に由来していると言われています。ブッダ・パーク、サラ・ケオ・クー共に独特のモニュメントが特徴的なのですが、これらのモニュメントは全て、数百人もの信者によって作られました。像は主にコンクリートで作られているのですが、これはラオスのメコン川沿いに多くのコンクリート工場があったためです。安価で入手もしやすいということで、スリーラット氏が選んだのだそうです。ルアンプーという僧の敬称を持ちながらも、生涯法衣ではなく白装束で過ごしたスリーラット氏は、1996年に亡くなり、現在は園内の建物に眠っています。
サラ・ケオ・クーの入り口の前には、埴輪のような巨大な像が立っています。遠くからでもわかる存在感を放つ像ですが、腕の一部はなくなっています。この像を始め、サラ・ケオ・クーのモニュメントは全て、極力彫刻技術を排除して作られているため、こうした劣化は随所で見られます。エントランスには白い門が建てられていて、門上にはカラフルな仏陀が3体並んでいます。どこかユーモラスな雰囲気を醸し出すこのエントランスは、まるでテーマパークの入り口のようです。庭園に入るとまず現れるのが、象と犬のモニュメント。タイ語で犬の口(パーク・マー)は口の悪い人を意味するので、そういった戒めの意味も込められていると言われています。ただ、この犬たち、よくよく見てみると囲碁に興じていたりオープンカーに乗ったりベスパにまたがっていたりしていて、思わず口元が緩んでしまいます。園内にあるおよそ100体ほどの彫刻のほとんどは、シヴァ神やビシュヌ神をはじめ、ヒンドゥー教や仏教の神々をモチーフにしたもの。細部まで彫刻が施された巨大な涅槃仏や、全長25メートルあまりのとぐろを巻いたナーガの上に座す仏陀など、迫力のあるモニュメントが所狭しと並んでいます。中でも必見なのは、スリーラット氏の宗教芸術の集大成とも言える「人生の輪(The wheel of life)」というゾーン。このゾーンの入り口に置かれているのは「人生の鮫」。抽象化された鮫が大きく口を開けていて、その両脇には十二支にまたがる神々が並んでいます。この鮫の口はトンネルのようになっているのですが、この入口は男性器と女性器を模しており、われわれ入場者は一粒の精子に喩えられるとされています。この口をくぐると正面に現れるのが、巨大な四面仏。顔の下からは6方向に手が伸びていて、その手の上には神々が安置されています。この四面仏を中心として、胎児から死までの一生を表現した像と、最後は仏陀の後について「人生の輪」から飛び出す像が円周上に置かれています。
11月から2月の乾季は雨が少なく気温、湿度ともに高くなりすぎず観光に適したシーズンです。12月が一番涼しくなります。乾季には、寒暖の差が激しく朝晩は肌寒くなり、この時期は長袖の上着が必要になります。3月から雨季に入る5月頃までは気温が上がり、平均最高気温が36度を超えることもあります。5月から9月までは雨季となり、特に8月は雨が多くなります。
天気予取得中... |
【ウドンタニ空港からノーンカーイ】
<ミニバスを利用>
空港カウンターでチケットを購入
所要時間:約50分
料金:200THB
※ノーンカーイ市内中心部からサラ・ケオ・クーへは車で約20分