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エストニア

シュトゥルーヴェの三角点アーチ観測地点群(エストニア)

(Struve Geodetic Arc, Estonia)

概要

シュトゥルーヴェの三角点アーチ観測地点は、19世紀に天文学者フリードリヒ・フォン・シュトゥルーヴェが中心となって、子午線弧長の三角測量を行うために設置された観測地点群です。観測地点は、北端ノルウェーのハンメルフェストから南端ウクライナのスタラ・ネクラシウカまで10カ国265地点にも及びます。これらの観測地点は、地球の大きさや形状を正確に測ることに大きく貢献をしたことが評価され、2005年に34ヶ所がユネスコの世界遺産に登録され、エストニアでは、3ヶ所が登録されています。


見所ポイント

10ヶ国にまたがる壮大な世界遺産
ノルウェー・ハンメルフェストに建つモニュメント

1816年から1855年まで39年間にも渡り、天文学者シュトゥルーヴェ指揮のもと、複数の科学者によって測量された三角点(観測地点)群は、北極海に面したノルウェーのハンメルフェストから黒海に近いウクライナのスタラ・ネクラシウカまで全長約2820km、265地点に及びます。

16世紀に開発された三角測量法は、1980年代に衛星測位システムが登場するまでは大規模精密測量法として用いられてきました。子午線弧の測量の目的は、地球の大きさと形状を正確に計測するために、1度の子午線弧に対応する長さを決定することです。シュトゥルーヴェらは、史上初めて長距離に渡り子午線を測り、その後の地球科学と地形図作成の発展に大きく貢献しました。この三角測量は実際の数値と数cmしか誤差がなかったことが衛星測位システムの登場で証明されています。また、この測量には、国を超えて科学者や君主が協力し、科学の発展に寄与したことも高く評価されています。

現在は、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ベラルーシ、モルドバ、ウクライナの10カ国にもまたがる珍しい世界遺産ですが、観測地点が設置された19世紀当時は、スウェーデン・ノルウェーとロシア帝国のわずか2カ国にまたがっているに過ぎず、200年足らずで新たな国家が多く誕生した歴史の変遷も辿ることができます。

三角測量の起点となったタルトゥ大学旧天文台
タルトゥの旧天文台とシュトゥルーヴェのモニュメント

エストニアでは、合計22地点で測量が行われ、その内レーネ・ヴィル県のSimuna村とVõivere村、タルトゥ大学の旧天文台(Tartu Observatory)の3地点ががユネスコの世界遺産に登録されました。

その世界遺産に登録されている3ヶ所の内、最も訪れやすく、楽しめるのがタルトゥ大学旧天文台。タルトゥの市内中心部に位置し、町歩きの際にも気軽に立ち寄ることができます。1810年に創立されたタルトゥ大学旧天文台は、当時、最先端の設備が取り入れられ、世界の天文学の中心的存在の一つとなり、ロシア帝国で最も重要な天文台でした。

シュトゥルーヴェの三角測量は、この天文台から始まりました。シュトゥルーヴェは、当時あった天文台のドームの中心の床を観測地点に使用しました。この観測点の場所は保存されていませんでしたが、2002年に修復の際に、観測地点となった床に新たに銅製の記念板が埋め込まれました。また、天文台前の敷地には、シュトゥルーベの記念碑が建てられています。

好奇心がそそられる旧天文台博物館
様々な講演が行われる旧天文台内部

現在、旧天文台の内部は博物館として一般公開されています。主に天文学と宇宙の研究に関する展示が行われており、シュトゥルーヴェが測量に用いた器具、歴史的な望遠鏡や中世の地球儀、隕石のかけらなど貴重なコレクションを見学することができ、天文愛好家には外せないスポット。デジタル技術を駆使したゲームなどの体験型の展示もあり、星座や宇宙、エストニアの天文学の歴史だけでなく、測地学や地震学などの分野についても楽しみながら学ぶことができます。また、レジャー向けのプラネタリウム鑑賞、夜間の天体観測、天文学の講義といったプログラムから学生向けの教育的なプログラムも開催しています。塔の上は展望スペースがあり、緑豊かな敷地を眺められます。

旧天文台博物館:tahetorn.ut.ee

知る人ぞ知るエストニアのシュトゥルーヴェの観測地点
Simunaの観測地点の石碑

Simuna村とVõivere村は、基線の両端に位置する観測地点で、両地点の高低差は6.3m、基線の長さは4.5kmあります。道路沿いにあるSimuna村の観測地点には、高さ1.9mの石碑とユネスコの案内板が建てられています。Simuna村の西にあるVõivere村の観測地点は、風車のある私有地に中にあり、穴状の印をつけた岩が残っています。現在この岩は、ピラミッド型のガラスのカバーで覆われていて、近くにはユネスコの案内板が設置されています。Simuna村とVõivere村の観測地点は、のどかな農村地帯に位置しており、最寄りとなる町からも離れているため、訪れる際は車で行くのが一般的です。また、世界遺産に登録された後に案内板は設置されたものの観光地化はほとんどされておらず、世界遺産としてはかなり地味なスポット。エストニアをドライブで周遊する場合は、途中で立ち寄ってみてもよいかもしれません。

天文学者シュトゥルーヴェとは
旧天文台前に建つシュトゥルーヴェの記念碑

フリードリヒ・フォン・シュトゥルーヴェは、デンマーク領のアルトナ(現ドイツ)で1793年に生まれ、後に当時ロシア帝国領だったタルトゥに一家で移住しました。1808年にタルトゥ大学に進学したシュトゥルーヴェは、天文学を学び、卒業後はタルトゥ大学で教鞭をふるいながら、創設されたばかりのタルトゥ大学天文台でも働いていました。シュトゥルーヴェは、この天文台で二重星と測地学の研究を行ない、後にタルトゥ大学の教授と天文台の所長も務めましたが、1839年にサンクトペテルブルク近郊のプルコヴォ天文台が設立されると、以降はプロコヴォ天文台の所長となりました。

子午線弧長の三角測量で測地学に多大な功績を残したシュトゥルーヴェの最も有名な功績は、二重星の観測です。1826年にイギリスの王立天文学会のゴールドメダルを受賞し、翌年にはロイヤルメダルの受賞と王立協会フェロー(協会から付与される賞及び会員資格)に選出、さらにその後もスウェーデンやアメリカの科学アカデミーの会員にも選出されました。シュトゥルーヴェ家は、以降4代に渡り天文学者として活躍し、1913年に発見された小惑星シュトルーヴィーナは、シュトゥルーヴェ一族に因んで命名されました。

ベストシーズン

観光のベストシーズンは、最も過ごしやすい夏の6月~8月です。夏季は日照時間が長く、23時頃まで明るいので、観光に十分な時間をとることができます。ただし朝晩は気温が下がるので、長袖の羽織りものがあった方がよいでしょう。メキシコ湾流の影響で高緯度の割には温暖ですが、冬は日照時間が短くなり、厳しい寒さとなるので防寒対策は万全に。


  • 現地
  • タリン
天気予取得中...
天気予取得中...
  • 緯度・経度:58.3788, 26.7201
  • 住所:Observatory, 51003 Tartu, Estonia
首都
タリン
面積
45,228 (km2)
人口
132万人 2018年
言語
エストニア語、ロシア語
公用語
エストニア語
通貨名
ユーロ 補助通貨はセント ※本サイトではEURと表示
通貨レート情報取得中...
携帯会社SIM
Telia、Elisa、Tele2
最寄り空港からのアクセス方法

【タリン空港からタリン市内】
<トラム>
4番トラムが市内中心部まで運行
所要時間:(市内中心部)15~20分
料金:2EUR


<バス>
2番バスが市内中心部まで運行
所要時間:(市内中心部)15~20分
料金:2EUR


※バス、トラムはチャージ式のスマートカード利用時は割引あり


トラム・バス時刻表:transport.tallinn.ee


<タクシー>
所要時間:(市内中心部)10~15分
目安料金:10~15EUR


【タリンからタルトゥ】
<電車>
タリン駅からタルトゥ行きに乗車
所要時間:約2時間


<バス>
タリンバスターミナル(Tallinna bussijaam)からタルトゥ行きのバスに乗車
所要時間:約2.5時間


※ラエコヤ広場から旧天文台まで徒歩約5分


(2019年6月現在)


最寄り空港詳細

  • タリン空港 (TLL)