スコータイ市内から西へ12km、面積約70平方kmの広大なこの歴史公園スコータイ歴史公園は、タイ族最初の王朝の都であり、世界遺産に指定されています。スコータイはタイ語で「幸福の夜明け」を意味します。三重の城壁の内外に、寺院を中心に200ヶ所の遺跡が文化庁の下で管理・保存されています。城壁に囲まれているのが旧市街で、スコータイ王朝は、ここを中心に13~15世紀にかけて繁栄しました。
営業時間:6:30-18:00(土曜は18:00-21:00ライトアップあり)
料金:北側・中央部・西側エリア毎に100THB
「幸福の夜明け」という意味を持つスコータイは、アンコール王朝の支配を逃れたタイ族による史上初の統一王朝で1238年にタイ北部に成立ました。「スコータイは美しい国ぞ、水に魚棲み、田に稲穂実る」と当時の碑文に謳われています。強力な軍事力と豊穣な大地を誇り、大王と呼ばれる第3代ラムカムヘーン王の時代に領土は最大となり、その統治によって文化が繁栄しました。近隣諸国はもちろん中国などとも積極的に関係を結び、また仏教の普及にも尽力して多くの寺院を建造しています。そこからタイの文化芸術の古典様式が花開き、クメール文字を改良したタイの文字や文学、陶芸が生み出されるなど現在のタイの礎を築き上げました。
スコータイ王朝時代、政治的・経済的に重要な拠点として首都スコータイをはじめ、シーサッチャナライ、カンペーンペットという都市が栄え、人やものが頻繁に往来していました。仏教の布教に熱心だった代々のスコータイ王は、これら三都市の至るところに仏教寺院を建造し、現代に残ったそれらの遺跡が美しい歴史公園として整備されています。いずれもその希有な歴史的価値や芸術的価値が認められ、1991年にはユネスコ世界遺産に登録されました。
約70平方kmという広大な敷地に広がるスコータイ歴史公園には、遺跡として確認されているものだけで200ヶ所以上存在します。東西1.8km、南北1.6kmの城壁に囲まれた旧市街地域を中心に遺跡が広がり、ワット・マハタートを始めとする、クメール文化をもとに生みだされたスコータイ独自の様式による寺院建築の数々は、現在でも当時の荘厳さを偲ぶことができます。「スコータイ様式」と称される優美な曲線が特徴の仏像も見逃せません。また、スコータイが元々クメール王朝の領土であったことからクメール様式の遺跡も見られます。
<城壁内部>
●ワット・マハタート
王宮の西にあるスコータイ遺跡中最大の寺院で境内は約200平方メートルの広さがあります。中心となる仏塔は頂上にハスのつぼみをつけたスコータイ独自の様式です。古びた煉瓦の列柱、青空の下に鎮座する仏像などが醸し出す空間美はまさに圧巻。基部の台座には釈迦の弟子達と釈迦座像の装飾が施されています。
●ワット・シー・サワイ
クメール様式の寺院で、トウモロコシを直立させたような塔堂は異彩を放っています。
●ワット・サ・シー
城壁内にあるトラパン・トラクアン池に浮かぶ小島に建立され、境内にはスリランカ様式の仏塔が大小合わせて9つ、東には礼拝堂、池の真ん中には本堂が配置されています。周囲が水、遠くは山々に囲まれて見えるため、夕陽が落ちる景色が美しいことでも知れています。
●ワット・トラパン・グーン
ワット・マハタートの西側にある「銀の池」の側にある遺跡です。現在は蓮を模ったチェディと仏像(座像)が残っています。
●ワット・ソラサック
ワット・チャンロームと同様に釣り鐘型の仏塔です。基壇部分の4面には仏塔を支えるように象の彫刻が配置されています。
●ラムカムヘーン大王の銅像
タイの基礎を創った名君ラムカムヘーン大王を称えた像。その王の名をとったラムカムヘーン国立博物館は、タイで最も多くの出土した仏像、美術品などを収蔵しています。
<城壁北側>
●ワット・シー・チュム
四方を囲む壁の中、高さ15mの漆喰の仏像が鎮座しています。外部の熱気と遮断された、心地よい静寂の空気が流れています。
●ワット・プラ・パーイ・ルアン
城壁の500m北側にあるスコータイ最古の寺院。ワット・マハタートの次に重要な寺院とされ、仏塔の上部は崩れかけています。台座を囲む形で仏像が配置され、一部の像は今でも形をとどめています。
<城壁西側>
●ワット・サパーン・ヒン
城壁の西側約1.5kmの所にある遺跡。中心部からはやや遠いですが、高さ200mの丘にあるためスコータイ遺跡全体を見渡せるスポット。サパーン・ヒンは「石橋」を意味し、その名の通り丘の裾から石段の道が細長い橋のように頂上まで続いています。頂上には、東方向(ワット・マハタート)を見るような形で仏像が立っています。
<城壁東側>
●ワット・チャン・ローム
釣り鐘型の仏塔で基壇部分の4面には象が配置され、仏塔を支える構造になっています。
<城壁南側>
●ワット・チェトゥポン
城壁南門(ナモ門)から約1.5kmの所にある後期スコータイ時代の寺院跡で、城壁南側としては最大規模を誇ります。きれいな形で残っていている仏陀の遊行像は見どころの一つ。
スコータイ歴史公園はとても広いので見どころを絞って回るとよいでしょう。自転車を借りて回るのもオススメです。道は西側のワット・サパーン・ヒン付近を除いては平坦で、車はそれほど多くないので、特に城壁内は快適に回ることが出来ます。レンタルショップは入り口付近にいくつかあり、レンタル料は30バーツほど。公園内は遺跡見学料のほか、自転車を持ち込むのに10バーツがかかります。城壁内と北側だけでも見ごたえのある遺跡が多く、十分感動を味わえます。その他には車移動のツアーや園内トラム、最近は馬車で遺跡を巡るサービスもあるので、時間や好みに合わせて選べます。その他日本語のオーディオガイドの貸出があるので個人で行く場合もじっくり説明を聞きながら回ることが出来ます。
城壁内の各寺院は、土曜日の18時から21時までライトアップされ、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を味わうことが出来ます。また早起きをして日の出と共に遺跡を見たり、夕日に照らされて輝く遺跡も美しくオススメです。水に映る遺跡の影や蓮の花とのハーモニーが醸し出す景観は絶景です。ただし、人通りの少ない通りや早朝・夜間に訪れる場合は、グループで行くかガイドを同伴することをオススメします。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
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スコータイ1日観光 | 1日 |
スコータイは、雨季と乾季に分かれています。雨季は5月から10月までで、雨の多い日が続き10月に最も多くの雨が降ります。11月から3月までは乾季で、気温が下がり多少涼しくなり、雨がほとんど降らない晴天の日が続くため旅行に適したシーズンです。この時期、夜は冷え込むことがあるので、長袖の羽織ものを持参したほうがよいでしょう。乾季の終わりである4月は非常に暑くなり日中は37℃を超える日もあり、脱水症状を起こしやすいのでこまめな水分補給を心がけましょう。
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所要時間:約50分
料金:300THB