イタリア北部トスカーナ州にある町、カッラーラ。古来より良質な白大理石の生産地として有名な町です。かのミケランジェロによるダビデ像もカッラーラの大理石で作られました。そのカッラーラの大理石は19世紀、遠く離れた東洋の「ほほえみの国」タイに運ばれ、美しい仏教寺院にも変身しています。タイ様式の雰囲気も残しながら、イタリアの白大理石で建造された王立仏教寺院、バンコクのワット・ベンチャマボピットはまさに「東洋と西洋の美の融合」です。豪華で荘厳な外観と装飾細部に見られる融合の美を見に行ってみませんか?
営業時間:7:00~18:00 本堂は17:00まで
料金:20THB
ワット・ベンチャマボピットは屋根を除いた建物のほとんどが大理石でできていて、通称「大理石寺院」と呼ばれています。また、屋根には特殊な焼き方で鮮やかなオレンジ色を発している瓦が使用され、金張りの窓にはステンドグラスがはめ込まれています。オレンジ色・黄金色の屋根と白大理石のコントラスト、仏が描かれていながらも教会にいるように錯覚させるステンドグラス越しの柔らかい光が、訪れる人を魅了しています。このような独特な雰囲気を持つ仏教寺院は世界でも非常に珍く一見の価値があります。
ラーマ5世の異母弟にあたるナリッサラーヌワッティウォン王子とイタリア人建築家のエルキュール・マンフレッディがデザインを担当し、マリオ・タマーニョら何名かのイタリア人技師が西洋技術をふんだんに建築に取り入れました。イタリア・カッラーラ産の大理石を用いたタイ様式の仏教寺院であるこの本堂は、タイ王政の代表的建築物の一つです。ナリッサラーヌワッティウォン王子はタイでは「芸術の父」と呼ばれ、タイの様式と西洋の様式を融合した数々の名建築を生んだ土木の専門家であり、後に異母兄のラーマ5世のもとで、インフラの整備、財務大臣、国防大臣をつとめた一流の政治家・文化人でもありました。民衆から絶大な支持を受ける名君ラーマ5世と、土木技術・行政から考古学・文学・音楽まで幅広い知識と才能を持つ天才・ナリッサラーヌワッティウォン王子の2人の兄弟による、奇跡の建造物、これがワット・ベンチャマボピットなのです。
バンコクでも寺院が密集している地区から少し離れているので、観光客も比較的少なく、落ち着いて見学できる穴場のスポットです。
「タイ歴史学の父」と言われるダムロンラーチャーヌパープ王子は、ラーマ5世のもう一人の異母弟でした。彼は王族の中でも飛び抜けて英語力と交渉術に長けていたため、ラーマ5世に重用され、ラーマ5世の親政を長期間支えていました。政界引退後は、持ち前の博覧強記を生かし、国立図書館、国立博物館などを設立しましたが、これらの業績のうちの一つに、ワット・ベンチャマボピット大回廊の仏像コレクションがあります。世界中から集められた52体の仏像が並べられており、それら一体一体が異なる印相(仏教的意味を両手で示すジェスチャー)をしています。骨と皮ばかりになった仏陀を表したガンダーラ仏や、日本からコレクションされた仏像もあり、さながら仏像博物館のようです。回廊に静かに並ぶ仏像は歴史マニア・仏像マニアならずとも、厳かな美に圧倒されることでしょう。世界に広がった仏教。その土地その土地の人々が仏像に何を反映させ、何を求めているのかを想像しながら、一体一体のその表情と姿を見て回るだけで時間を忘れてしまいます。
名君ラーマ5世が建立を命じ、弟のナリッサラーヌワッティウォン王子が美しい本堂をデザイン・建築し、その回廊にもう一人の弟であるダムロンラーチャーヌパープ王子が博物学の見地から世界の仏像を並べていく。西欧列強に怯えていた当時のアジアに、このような素晴らしい兄弟がタイ王室にいたおかげで、タイは独立を維持して現在まで繁栄を続けてきました。
ワット・ベンチャマボピットの本尊仏は、タイでもっとも美しいと評されるチナラート仏を模した、青銅製の仏像です。チナラート仏とはタイ北部ピッサヌローク県にあるワット・プラシー・ラタナマハタートという寺院の仏像で、威厳がありながら穏やかな表情をしている、細部の装飾に至るまで美しい黄金色の仏像です。このチナラート仏はワット・プラシー・ラタナマハタートが建立された1357年当時、タイ北部を支配していた王様の命によって造られた3体の仏像の1つでした。
ピッサヌローク県からバンコクにチナラート仏を移すのではなく、精密に模して本尊仏にするというところが、徳の高いラーマ5世らしいですね。そのチナラート仏を模した本尊仏の台座には、建立者である名君ラーマ5世の遺骨が納められており、今でも多くの参拝者が訪れています。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
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バンコク市内半日観光ツアー☆効率的に三大寺院をめぐる | 5時間 |
一番快適に過ごせるのは11月中旬からの約2カ月間です。乾季に入ってすぐのこの季節はタイにしては珍しく夜間にブランケットが欲しくなるくらいの涼しさです。その他の月は、高温多湿で蒸し暑い南国らしい気候です。3~5月は気温が最も高く、脱水症状を起こしがちです。こまめに水分補給をしましょう。6~10月の雨季には、大雨が降ると道路が冠水することがあります。
天気予取得中... |
【スワンナプーム空港からバンコク市内】
<エアポート・レール・リンク>
空港から終点パヤータイまで運行
所要時間:(パヤータイまで)26分
料金:45THB
<リムジンタクシー>
到着ロビーのカウンターで申込。
係員の案内に従いタクシーに乗車。
所要時間:40~60分
料金:950THB~ ※行き先により異なる
<メータータクシー>
ターミナル1Fのタクシー乗り場から乗車
所要時間:40~60分
料金:メーター300THB前後~
※空港使用料50THB、有料道路25~75THB別途
【バンコク市内からのアクセス】
BTSパヤ・タイ駅(Phaya Thai)からタクシーで約10分