ワット・プノンは、カンボジアの首都プノンペンにある仏教寺院です。ワット・プノンとは、クメール語で「丘(山)の寺院」という意味で、その名の通り小さな丘の上に建っています。伝説では、ペンという名の女性がメコン川に流れ着いた流木の中から仏像を発見し、その仏像を祀るために丘に寺院を建てたのが始まりとされています。その後この丘はプノン・ペン(=ペンの丘)と呼ばれ崇拝されるようになり、やがて町の名前になったとされています。現在もワット・プノンは地元の人々を中心に厚い信仰を集めており、多くの参拝者が訪れています。
営業時間:7:00-18:00
料金:1USD
ワット・プノンは、プノンペンのリバーサイドエリアに面した標高約27mの小高い丘の上に位置しており、プノンペンの町の発祥の地でもあります。1372年にペン夫人によって創建された小さな寺院は、次第に地元の人々がお祈りを捧げる聖域へと発展していきました。その後、クメール王朝最後の王ポニャー・ヤットが15世紀にアンコールからプノンペンに遷都し王宮を建てた際に、メコン川の氾濫による洪水被害を避けるため、家臣に命じてこの丘をさらに高くしたと言われています。寺院は、創建以来、何度も改修が繰り返され、現在見られる建物は1926年に建て直されたものです。
現在は商売繁盛や学業成就にご利益があるとされ、参拝に訪れる人々が後を絶たちません。願いが叶った時はジャスミンの花輪やバナナの房などを持参してお礼参りをする習慣があり、お礼参りに訪れる人々の姿も見られます。また、クメール暦の正月とプチュン・バン(カンボジアのお盆)の期間は特に多くの人々で一際賑わい、今でも地元の人々の心の拠り所となっていることがうかがい知れます。
寺院を参拝する際は、丘の東側の麓が入口となります。入口から丘の上まで真っ直ぐに階段が続いており、シンハー(獅子)像やナーガ(蛇神)の欄干が両脇を守っています。階段を上がると正面に本堂があり、中へ入ると中央には黄金の仏像が祀られ、その周りにも大小様々な仏像が安置されています。仏像の前には、カラフルなお花やフルーツなどのお供え物がたくさん供えられています。柱はオレンジとグリーン基調とした装飾が施され、さらに壁と天井には、ジャータカ(釈迦が前世に菩薩として修行していた時のエピソードを集めた物語)をはじめ、リアムケー(インドの叙事詩「ラーマーヤナ」のカンボジア版と言われる物語)など色鮮やかな壁画がびっしりと描かれているので、お祈りをした後にぜひゆっくりと鑑賞してみてくださいね。
本堂の裏手(西側)に建つ釣鐘型の大きなストゥーパは、ポニャー・ヤット王とその一族の遺灰が納められています。本堂とストゥーパの間の細い通路の一角には、ペン夫人の像を祀った小さな祠があります。豪華な衣装を身に纏い微笑みを浮かべるペン夫人の像は、しっかりメイクが施され、背後の派手な電飾とも相まって、どこかキッチュでコミカルな印象ですが、ペン夫人の祠は圧倒的な人気を誇っており、熱心にお祈りを捧げる人々で溢れ、線香やお供え物が絶えません。
本堂の北の階段を下りた場所には、本頭公廟という中華系の廟があります。本頭公廟は、中国系移民によって祭祀される廟で、東南アジアを中心に各国で見られます。廟には儒教や道教の神々が祀られており、同じ敷地内でもワット・プノンの本堂とは異なるテイストで、比べて見ると違いがよくわかり面白い発見があるかもしれません。
ワット・プノンの周辺は、緑豊かな公園が広がり、散策や木陰で休憩をする地元の人々の憩いの場となっています。寺院の敷地内では、土産物屋や食べ物屋台のほか、お供え用の花や線香、現金(少額紙幣)、小鳥やカメ、魚などの生き物を売る人もいます。仏教の教えの一つに現世で徳を積むと来世で幸せな生まれ変わりができると考え方があり、小鳥や魚などの生き物を自然に還す行為は徳を積む善行の一つとされています。そのため寺院周辺ではこのように徳を積むための生き物が売られているのを目にすることも珍しくありません。
寺院の南の麓には、直径約20mの大時計があり、その南側には独立記念塔に向かってノロドム通り真っ直ぐに伸びています。大時計の近くにはカンボジアの近代化に尽力し偉大な国王と称されるシソワット王の座像が安置され、その背後には色鮮やかなレリーフが施されています。この他にも、寺院周辺の小路にはストゥーパや祠などが点在しています。昼間は、のどかな雰囲気が漂っていますが、夜になるとワット・プノンはライトアップされ、幻想的な雰囲気が漂います。特に南側の広場やノロドム通りからは頂上のストゥーパと麓の大時計の美しいライトアップが見られます。ただし寺院周辺は、暗くなると治安があまり良くないので、ひとり歩きは避け、寺院見学は日中の明るい内にすることをオススメします。
日本でも占いは人気がありますが、カンボジア人も占い好きで知られています。カンボジア人は、仕事や恋愛から日常の様々なことを占い師に相談したり助言を求めるために訪れます。結婚前には相性を占ってもらい、結婚式の日取りも占いで決める人も少なくないのだとか。そんな占い好きのカンボジア人のために、ワット・プノンの南側の広場に占い師が集まるスポットがあります。ここは地元の人々に人気の占いスポットで、真剣に占い師の言葉に耳を傾ける人々の姿が見られます。広場には占い師がござやテーブルを広げ、手相やトランプなどのイラストが描かれた看板が掲げられています。それぞれの希望に沿った方法で運命を占ってもらえ、観光客でもカンボジア式の占いを体験することができます。料金は占い方法などによって異なりますが、5000~20000KHR(約1.25~5USD)ほど。ワット・プノンを訪れた際にもし占い師を見つけたら、旅の思い出に挑戦してみてはいかがでしょう。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
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市内観光とセントラル・マーケット 1日チャーターツアー<プノンペン発> | 1日 | |
プノンペン市内観光早回りお手軽ツアー<午前> | 4時間 | |
プノンペン市内観光とショッピングツアー<1日/プノンペン発> | 1日 |
プノンペンは、一年を通して気温が高く夏服で過ごせます。観光のベストシーズンは、気候が安定して比較的過ごしやすい乾季の11~2月頃です。3月から雨季に入る5月頃までは気温がかなり上がり酷暑となります。6~10月頃までは雨季となり、特に9~10月は雨が多くなります。一年中夏服で過ごせますが、屋内は冷房が効き過ぎていることがあるので羽織ものやストールなどが1枚あると便利です。
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【プノンペン国際空港からのアクセス】
<タクシーを利用>
所要時間:約30分
料金:9USD ※行き先毎に定額
<トゥクトゥクを利用>
所要時間:約30分
料金:7USD~
<バスを利用>
空港の敷地を出た大通り沿いのバス停から3番バスに乗車→終点Night Market下車→徒歩8分
所要時間:1~1.5時間前後
料金:1500KHR
※所要時間はいずれも道路状況により異なる