イサーン地方の最北部に位置する県、ノーンカーイ。この町を代表する寺院がワット・ポー・チャイです。メコン川近くに建つ寺院には、嵐で一度川に沈み、その後引き上げられたという伝説を持つ本尊が安置されていて、地元の人々の信仰を集めています。また、本堂内の壁一面に描かれた壁画も大きな見どころの一つとなっています。
営業時間:8:30-17:00
ワット・ポー・チャイは、ノーンカーイで最も信仰を集める寺院です。メコン川のすぐそばに位置するこの寺院は、敷地はさほど広くなく小ぢんまりとしていますが、細かい装飾が施された北部タイ様式の立派な本堂や、本堂内の壁一面に描かれた仏画、数々の伝説を持つ黄金の本尊など見どころが多く、地元の人々や観光客で常に賑わう境内は大変に整備されていて、いつも花で溢れています。お参りを済ませた人は、寺院の僧にお清めの水をかけてもらい、厄除けの紐を腕に結んでもらえます。人の多く集まる寺院周辺では屋台も賑わっていますし、市民の催し物の会場になることも珍しくないため、ワット・ポー・チャイはノーンカーイを訪れた際に、絶対に外せないスポット。
ノーンカーイの鉄道駅から向かう場合は車で10分ほどの距離にあります。駅からは少し離れていますが、バスターミナルは比較的近いので、バスを利用した場合は寺院まで徒歩で向かうことができます。また、ワット・ポー・チャイからはメコン川の遊歩道に出ることもできるのですが、この時にぜひ訪れたいのが、ノーンカーイの中でも特に賑わいをみせる「ターサデット市場」。メコン川のほとりに発達したアーケード式のマーケットには、食品や日用品や衣類はもちろん、食器、仏像、陶器、電気製品まで、さまざまな種類の店が軒を連ねていて、地元の人々の生活を垣間見ることができます。お惣菜を扱う店もあり、地元の味が楽しめるのも魅力のひとつ。ムーヨーと呼ばれるポークハムはこの町の名物ですので試してみてくださいね。ワット・ポー・チャイからは徒歩20分ほどの距離にあります。
ワット・ポー・チャイの本堂は、内側にたわんだような三角形の屋根とスリムなフォルムが印象的な北部タイ様式で建てられています。白い壁に赤いレンガの屋根のコントラストが美しく、細やかな金の装飾が施されていてとても立派な造りになっています。そしてこの寺院で有名なのは、何と言ってもご本尊。ラオスから渡ってきたとされる青銅製の胴体に純金の頭部が乗った本尊は、地元の人々の厚い信仰を集めています。この本尊には数々の言い伝えが残されているのですが、その内の一つがメコン川から引き上げられたというもの。その言い伝えによると、元々この仏像はビエンチャンの王妃の命で同じものが3体作られ、それぞれ「ポー・サイ」、「ポー・スック」、「ポー・スーム」と名付けられ、ラーマ3世の時代にビエンチャンから贈られたものでした。ところが移送される途中、3体の仏像はメコン川に沈んでしまい、メコン川の川底で25年間眠った後、引き上げられたのがこのご本尊であったというものです。また、この3つの仏像は同じ名を持つ王女のために作らせたという言い伝えや、川底に沈んだのが「ポー・スック」で、「ポー・スーム」はバンコク、「ポー・サイ」はこの寺院に安置されたという言い伝えなど、本尊にまつわる伝説は数多く存在しています。座した黄金の仏像は、多くの美しい装飾品や花と共に祭壇に祀られています。本尊はラオスから渡ってきたこともあり、ランサーン王朝の影響を受けていると言われています。「水かけ祭り」の別称でも有名なソンクラーンの時期には、本尊は屋外に移され、間近で見ることができます。
ワット・ポー・チャイの中で、本尊と並んでこの寺院を有名にしているのが、本堂内の壁一面に描かれた壁画です。淡く優しい色彩で描かれているのは、本尊の由来などをモチーフにした仏画の数々。タイの他の寺院でも見られる「ジャータカ」(ジャータカとは、仏陀が前世に菩薩として修行していた時に生きとし生けるものを教え導いたエピソードを集めた物語です)と見られるものや、仏陀の姿を一つ一つ丁寧に描いたもの、そしてワット・ポー・チャイの本尊にまつわるエピソードが描かれています。その中には、言い伝えの一つ、本尊が嵐によってメコン川に沈み、また引き上げられる様子も描かれていますので、ぜひ探してみてくださいね。彩り豊かに描かれた壁画の色味やスケールは、写真に収めることは難しく、実際に訪れてみるとその迫力に圧倒されます。壁一面に広がる仏教の世界観を心行くまで楽しんでください。
本堂の正面には仏塔が建っています。基壇は方形、上部はしずくのような形をしていて、全体的にとてもシャープな印象をしています。白地に金の装飾が施されたシンプルな仏塔は美しく、タイの青空によく映えます。この隣にある建物では、僧が人々に説教をしています。他の寺院でももちろんこういった場所はあるのですが、ワット・ポー・チャイでは僧の説教を求めて多くの人が列をなしているのが特徴的です。タイの寺院では宝くじを販売している光景をよく見かけますが、ワット・ポー・チャイでも売られています。寺院で買う宝くじは割高なのですが、タイではタンブンの一つとして捉えられているため、寺院で買い求める人が多いようです。
11月から2月の乾季は雨が少なく気温、湿度ともに高くなりすぎず観光に適したシーズンです。12月が一番涼しくなります。乾季には、寒暖の差が激しく朝晩は肌寒くなり、この時期は長袖の上着が必要になります。3月から雨季に入る5月頃までは気温が上がり、平均最高気温が36度を超えることもあります。5月から9月までは雨季となり、特に8月は雨が多くなります。
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【ウドンタニ空港からノーンカーイ】
<ミニバスを利用>
空港カウンターでチケットを購入
所要時間:約50分
料金:200THB
※ノーンカーイ駅から車で約10分、バスターミナルから徒歩7分