ナーン川の東岸にあるプー・ピアン。この山の上に建っているのがワット・プラタート・チェー・ヘーンです。かつて仏舎利を納めるために建立された寺院は歴史も古く、多くの参拝者が訪れます。黄金の仏塔プラタート・チェーヘーンやナーン様式の漆喰彫刻が施された本堂、巨大な涅槃仏など見どころの多い寺院です。卯年生まれの人の寺院であるため、敷地内にはたくさんのうさぎの置物が置かれています。
営業時間:6:00-18:00
「聖なる物質」という意味のプラタートを名前に持つワット・プラタート・チェー・ヘーンは、その名の通り、かつて仏舎利を納めるために建立された寺院です。1354年に現在のプワ郡を統治していた「チャオ・プラヤ・カーンムアン」王は、スコータイにある「ワット・ルアン・アパイ」(マンゴー寺)の建立に寄与したとこをきっかけに、スコータイのリタイ王から仏舎利と金・銀の仏像を貰い受けました。この際にダンマパーラ長老からプーピアンの頂上に仏舎利を置くことを提案され、ワット・プラタート・チェー・ヘーンを建立したとされています。そしてこの建立を期に、プアからプーピアンに遷都しました。ちなみに、「水の干上がった」という意味のチェー・ヘーンが寺院名についたのは、建立後にプーピアンの町で干ばつが流行したためだと言われています。ワット・プラタート・チェー・ヘーンは、寺院を正方形の回廊で囲んだ造りになっていて、仏塔を中心に左右に御堂が配置されています。タイの多くの寺院が正面入り口を東側に設ける中、この寺院は西側に入口を持っています。ナーンの町の中心部からは5kmほど離れているのでアクセスがいいとは言えないのですが、参拝に訪れる人は後を絶ちません。
ワット・プラタート・チェー・ヘーンのシンボルとも言えるのが、黄金の仏塔「プラタート・チェーヘーン」です。高さ55.5m、基壇の一片の長さ22.5mと規模の大きなこの仏塔は、八角形の土台を重ねた基壇に鐘を乗せた形で、縦に細長い印象を与えるスレンダーな塔。ランプーンに建つ有名な寺院「ワット・ハリプンチャイ」の影響を受けた様式で作られています。近くで見ると、仏塔の表面は板状のもので覆われているのが分かるのですが、これは真鍮と銅の合金で作られた化粧板。「トーン・チャンゴ」または「トーン・ドック・ブアップ」(直訳すると糸瓜の花色の金)と呼ばれるもので、仏塔を守っていると言われています。プラタート・チェーヘーンはカーンムアン王の時代から何回も修復を受けているのですが、最後の修復は、1610年のビルマ支配下のシーソーンムアン王の時代で、この時に現在の形になったと考えられています。青空の下で堂々と光り輝くプラタート・チェーヘーンも美しいのですが、夕日に赤く染められて幻想的な雰囲気になる日の入りの時間帯もお勧めです。
プラタート・チェーヘーンの西側に建てられているのが本堂。建立は1522年で、スリヤポンパリッティデート王により1905年に大規模な改修が行われました。1985年には文部省芸術局の手も入り、真っ白な壁が美しい、三重の屋根を持つランナー様式の現在の姿になりました。本堂の入り口の上の壁面には、8つの頭を持つナーガの漆喰彫刻が施されているのですが、これはナーン特有の形式。本堂には、巨大な黄金の座仏像が安置されています。
境内に建つ仏塔はプラタート・チェーヘーンだけではなく、回廊の外に建つ真っ白なビルマ様式の仏塔も見逃せません。プラタート・チェーヘーンと同じく、土台を積み重ねた基壇に釣鐘が乗せられたような形をしているのですが、こちらは釣鐘部分がどっしりと大きいのが特徴です。この白い仏塔の隣に建つ建物には、大きな金色の涅槃仏が安置されています。建物に入ると巨大な足の裏がお出迎え!この涅槃仏の足の裏にコインを貼り付けると願いが叶うと言われているため、足裏にはコインがびっしり。訪れた際には、ぜひコイン貼りに挑戦してみてくださいね。また、境内を散策していると目に入るのが大きな菩提樹。この菩提樹の下には仏像がいくつか置かれているのですが、これは曜日仏。曜日のシンボルとなる仏像があり、タイの人々は自分の生まれた「誕生曜日」にちなんで、この曜日仏を参拝する習慣を持っているのです。タイに行く際には、自分の曜日を調べてから行くといいかもしれませんね。敷地内にはお坊さんの学校もあり、時間帯がよいとオレンジの袈裟を身に纏ったかわいい小増さんたちの授業風景がのぞけるかもしれません。また、ワット・プラタート・チェー・ヘーンは卯年生まれの人の寺院であるため、敷地内のあちこちにキャラクターのような愛くるしいウサギから仏像と同じように金箔が貼られた神々しいウサギまで、大きさもテイストも様々なウサギの人形が置かれているのも大きな特徴。釈迦の足跡を石に刻んだとされる仏足石もあります。寺院入口までは幅の広い坂道の参道になっていて、この参道に沿うようにして、道の両側には長いナーガが配置されています。ワット・プラタート・チェー・ヘーンは山の上にあるため、参道を登り切って振り返ると、ナーンの町を囲む山並みが一望できます。
11月から2月の乾季は雨が少なく気温、湿度ともに高くなりすぎず観光に適したシーズンです。乾季は、寒暖の差が激しく朝晩は肌寒くなりますので、長袖の羽織ものが必要になります。3月下旬から雨季に入る5月頃までは気温が上がり、日差しも強くなります。5月から10月までは雨季で雨の多い日が続きます。この時期は大雨の影響で気温が下がり夜も比較的過ごしやすくなります。
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