バンコク市内のチャイナタウン(ヤワラート)に、神秘的な美しさを持つ黄金で作られている仏像があります。ワット・トライミットの黄金仏はその美しさと発見されるまでのドラマチックな経緯で、タイ国内だけでなく世界各地から多くの参拝客を引き寄せる、とても魅力的な仏像です。リピーターとなる観光客も多いというこの黄金仏を見に行きませんか。
営業時間:8:00-17:00
休業日:2F、3Fの博物館は月曜閉館
料金:(黄金仏拝観料)40THB(博物館)100THB
パワフルな活気が街全体を包むタイの中の中国、チャイナタウンがバンコク市の西部にあります。そのチャイナタウンの入り口付近に別名「黄金仏寺院」と呼ばれるワット・トライミットがあります。別名が表す通り、この寺院は黄金の仏像が大きな見どころです。平日、休日問わず、地元の中華系タイ人や中国人を中心に、タイ国内外からの観光客もあわせて、多くの参拝客で賑わっています。
ワット・トライミットは、正確な建立年は不明ですが、13世紀中頃にタイ族最初の王朝と言われるスコータイ王朝時代の初期に建立されたと言われています。仏教の黄金期だったスコータイ王朝の時代から存在する歴史ある寺院でしたが、特に目立った寺院とは考えられていませんでした。時は流れて1953年、バンコク市南部のワット・プラヤーグライという寺院が廃寺となっており、取り壊すためにその廃寺にあった仏像をワット・トライミットに移転させることが決定しました。ワット・プラヤーグライの仏像は全身が漆喰で覆われており、その表面はボロボロで、表情も歪んでいるように見えたので、誰からも見向きされないような仏像でした。いざ移転させる日に、クレーンでその仏像を吊り上げようとしたところ、あまりの重さからクレーンが故障してしまいました。そのことで移転作業が全くはかどらなかったため、その仏像は屋外に一晩中放置され、激しい雨にさらされてしまうのです。翌朝、再び作業を開始しようとした作業員は、激しい雨によって剥がされた仏像の漆喰の奥から、金色の光がのぞいているのを発見します。驚きながら漆喰を剥がしていくと、中からは全身がまぶしく輝く黄金の仏像が出現したのです。誰にも見向きされなかった仏像が驚きの変身をした瞬間でした。
その後、仏像は本来の黄金の姿でワット・トライミットに移され、発見に至る小説やドラマのような物語が伝説となって、多くの人々がその姿を拝みに来るようになりました。まるで「みにくいアヒルの子」のような感動的なストーリーです。目がくらむような輝きの姿と心を落ち着かせる穏やかな微笑みを浮かべた表情は今でも多くの参拝者を惹きつけています。
黄金仏の高さは3m、重さは5.5トンで、クレーンを故障させてしまうのも納得のサイズです。全身は60%の純度の金で鋳造されていて、時価で120億円はするであろうと推定されています。
この黄金仏が鋳造されたのは、ワット・トライミットが建立されたスコータイ王朝の時代だと考えられています。タイ北部のスコータイ地域で仏像は鋳造され置かれていましたが、1403年頃にアユタヤに移されました。16世紀には、スコータイ王朝はアユタヤ王国に併合されますが、この仏像はこのままアユタヤに置かれていたようです。アユタヤ王国は西のコンバウン王朝ビルマ(現ミャンマー)との泰緬戦争 (1765年~1767年)によって滅亡しますが、この仏像は全身を漆喰で覆われていたことによって、ビルマ軍による略奪を免れたと考えられています。ビルマ軍の侵攻に備えて、事前に黄金仏が目立たぬように工作していたのでしょう。アユタヤ王朝後のチャクリー王朝初代国王ラーマ1世によって、荒廃したアユタヤの寺院から多くの仏像が新首都のバンコクに移された時に、この黄金仏も目立たぬまま一緒に移されたようです。そして誰もが黄金仏の本来の姿を忘れてしまった頃に、上述のような発見をされ、再び注目を集めることとなりました。
右手を地に触れるような印相をして座している黄金仏は、典型的なスコータイ様式の仏像です。仏教がタイで花開いた黄金期、スコータイ王朝時代の貴重な仏像でもあります。タイの歴代王朝が必死で守った黄金仏のこの美しさは一見の価値ありです。黄金仏の輝き、威厳、そして奇妙な言い方ですが、色気のような艶かしさといった、不思議な魅力に気づくことでしょう。
2010年にワット・トライミットの改修工事が完了し、今は黄金仏は新しいお堂に置かれています。この黄金仏の背後には、立ち姿の仏像があります。この立ち姿の仏像はスコータイ王朝時代にしか見られないポーズで珍しくて貴重な仏像です。この他にもワット・トライミットの境内にはいくつもの仏像が置かれています。黄金仏とその他の仏像を比較しながら見学するのも、とても興味深いです。新しいお堂の2階と3階は博物館になっていて、ワット・トライミットの歴史とバンコクのチャイナタウンに関連する展示がされています。この地区で生活する華人住民の歴史が学べたり、ワット・トライミットの前を通るヤワラート通り周辺の模型があったりと、なかなか面白い内容となっています。活気溢れるチャイナタウンの中で、黄金仏の落ち着きある威厳に包まれたワット・トライミット。近くを訪れた際にはぜひ立ち寄って見て下さい。
ツアー・アクティビティ名 | 所要時間 | 詳細 |
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バンコク市内半日観光ツアー☆パーククローン市場+チャイナタウン+カオサン通り | 5時間 |
一番快適に過ごせるのは11月中旬からの約2カ月間です。乾季に入ってすぐのこの季節はタイにしては珍しく夜間にブランケットが欲しくなるくらいの涼しさです。その他の月は、高温多湿で蒸し暑い南国らしい気候です。3~5月は気温が最も高く、脱水症状を起こしがちです。こまめに水分補給をしましょう。6~10月の雨季には、大雨が降ると道路が冠水することがあります。
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【スワンナプーム空港からバンコク市内】
<エアポート・レール・リンク>
空港から終点パヤータイまで運行
所要時間:(パヤータイまで)26分
料金:45THB
<リムジンタクシー>
到着ロビーのカウンターで申込。
係員の案内に従いタクシーに乗車。
所要時間:40~60分
料金:950THB~ ※行き先により異なる
<メータータクシー>
ターミナル1Fのタクシー乗り場から乗車
所要時間:40~60分
料金:メーター300THB前後~
※空港使用料50THB、有料道路25~75THB別途
【バンコク市内からのアクセス】
MRTフアランポーン駅から徒歩約7分